第3話おばさんの決意

おばさんの決意第三話

怖い怖い怖い!私達は悪魔を生み出してしまった。

ナイフを渡したけど、どうせ生きていけないだろうと思っていた。

あぁ、なんて私は罪深いことをしてしまったのだろう。

でも、この子だけは、この子だけは守らなければ!

私は地獄に落ちてもいい、でも子供に罪は何もない。幸せになってほしい。


子供

『ママ僕殺されちゃうかも、怖いよ。怖くて夜眠れないよ。一人が怖いよ。』

ママ

『あなたはまだ悪い事してないから大丈夫よ。

人はね強く怒ると殺したくなっちゃうの。


だから人に恨まれることは絶対しちゃダメなのよ。ママがしっかり教えてあげるからね。』


子供

『パパは優しかったのにどうして恨まれちゃったの?』

ママ

『あなたには優しくても他の人には悪い人だったからよ。だからパパみたいになっちゃダメなの。


全ての人に優しくしなさい。自分がされて嫌なことはしない。出来るだけ人を恨まないで生きて欲しいわ。』


子供

『よく分からないけどママの言う通りにする。

そうしたら殺されない?』


ママ

『えぇ!あなたは生き残るの!絶対に!

目立たないように息を潜めて生きていくの。


人は忘れるわ。生きてる事に感謝して生活しましょう。』





 悪魔とジンはデザートを食べていた。

 悪魔

『何ジロジロと見てやがる。さっさと自分の分を食べろ。』


ジン

『ごめんごめん。よくそんなに甘いもの食べれるなって感心してたんだ。悪魔はみんな甘いもの好きなの?』


悪魔

『まぁ悪魔にもよる。俺は甘いものは罪の味がして好きだ。虫歯にも肥満にも気にせず好きなだけ食べれるのはいい気分だ。』


ジン

『へぇ〜ずっと側でいてくれるならスイーツ沢山用意するからね、悪魔!』


悪魔

『ふん、俺がそんな単純に思われるとは心外だ。だが、スイーツは沢山常備しておけ、わかったな。』


ジン

『あはは、分かったよ。』



 これはリンとジンの平和な日常。


 リンはダルそうにして言った。

『ほんっと最近暑いわね〜。そうだ!そろそろ七夕じゃない!そうめん食べましょ!』


ジンはリンに呆れて言った。

『この暑い日によく食欲あるね。僕は食欲無いな、でもそうめんなら食べれそうかな。』


大臣

『はっはっは。かき氷もご用意しましょうか?』


リンは元気よく食べたい!と言って、

『ジンもかき氷好きでしょ!早く食堂に行きましょう!』


ジンはリンに引きずられて食堂に行った。


『わぁ!!』

ジンとリンはかき氷を見て歓声を上げた。


かき氷の上にシロップだけでなく、フルーツも彩られていてとてもキレイだったからだ。


リンはいただきますと言って美味しそうに食べている。

『うーん!やっぱり夏はかき氷よね!』


ジンも一口食べてみた。

甘いシロップと爽やかなフルーツが美味しかった。

『美味しいよ、シェフいつもありがとう!』


シェフは恭しく言った。

『大変光栄でごさいます。』


大臣もニコニコとして言った。

『良かったですなぁ、ジン様、リン様!ところでお二人はいつ結婚なされるのか?』


ジンとリンは思いっきりむせた。

『ちょっと!大臣いきなり変なこと聞かないでよ!せっかくかき氷を味わってたのに!』


ジンも大臣に揶揄われていると知りながらも、図星だったのでドキッとしていた。

『本当だよ大臣、まだ先のことだよ。』


大臣はまた笑って言った。

『まぁ若者を揶揄うのは年寄りの特権ですからな!はっはっは!』


ジンは呆れてはぁ〜っとため息をついた。

『リン、願いごとはどんな事書くの?』

リンは堂々として言った。

『これからもずっと美味しい物を食べる事よ!』


ジンはえ〜!と言って全然ロマンチックじゃないと言った。

『僕との結婚は?僕と一緒にいたくないの?』

リンはふんっとちょっとバカにして言った。

『それは二番の願いごとよ。』


ジンはまたしてもえっ!となった。

『願いごといったい何個書くの?』


『10個は多いかもしれないから5個に減らしたのよ!これくらい叶えて貰わないとね!』

リンはちょっと不満げに言った。


ジンは神さま大変と思ったが、まっいっかと大臣達とリンと七夕を過ごした。





 


 

 

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