概要
私は五十一年前に父を殺そうと思った。二十四歳の時である
――やがて、父は巷の浮浪者のように酩酊しては路上で寝ては糞小便を垂れ流すようになった。それが三カ月も続いては義母や兄弟の手には負えなくなった。
――私は考え抜いた末、決意した。このままの状態で父が生き恥を晒し続けるのなら父を殺して自分も死のうと。
私は何の感情も無く淡々と静かに笑みを浮かべても殺せるか? その平常心の意識状態で父を殺せるか、が私の課題となった。
私はまたしても食を絶った。冷静な意識状態で、父を包丁で刺し殺す場面を常にリアルな情景として浮かべつつ。
その時のカウンター内の私の顏は他人から見たら涼しげに見えたらしい。七日も経つと私の精神は全く無感情の状態になり、私の頭は空っぽになった。私の脳裏に父を殺して自分も喉を掻き切って死ぬ。――部屋中が血の海になった光景が鮮明に浮か
――私は考え抜いた末、決意した。このままの状態で父が生き恥を晒し続けるのなら父を殺して自分も死のうと。
私は何の感情も無く淡々と静かに笑みを浮かべても殺せるか? その平常心の意識状態で父を殺せるか、が私の課題となった。
私はまたしても食を絶った。冷静な意識状態で、父を包丁で刺し殺す場面を常にリアルな情景として浮かべつつ。
その時のカウンター内の私の顏は他人から見たら涼しげに見えたらしい。七日も経つと私の精神は全く無感情の状態になり、私の頭は空っぽになった。私の脳裏に父を殺して自分も喉を掻き切って死ぬ。――部屋中が血の海になった光景が鮮明に浮か
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