第3話 中国式 大衆文化の創造力と、その伝播スタイル

  これこそ、さすが中国人。

① この世を『浮いた世の中』ととらえて楽しむ心・ステキな感性

)② 中国社会を文化としてとらえることのできる人間力


  そして、


③ その文化を大衆のものとして楽しみ・世界へ伝播する中国人の人間力中国における文化施設とは、まさに一般大衆が、楽しみながら教養を涵養する為の文化施設なのです。


一方、

日本の上級国民がお好きな文化とは、すべて箱物文化私設。

  バカのひとつ覚えのように、外来種偽日本人東大卒の就職先として、日本全国にしょうもない美術館や文学館・博物館を何百と作り、何年か毎に彼らは全国各地を転勤して楽しんでいる。本当に市民や県民のための文化施設ではない。天下り上級国民の為の「私設」なのです。


 文化とは「博物館・美術館という箱物」のことではありません。

 毎日の日常生活に文化を見出すばかりでなく、それを「真の博物館・美術館並の文化」に昇華させることのできる中国人。


<引用始め>


○ 南京大学の学生が清掃員女性のために「個展」を開催

http://j.people.com.cn/n3/2023/0320/c94475-10224669.html


人民網日本語版 2023年03月20日10:51


南京大学仙林キャンパスで今月、有名画家の作品でも、教師や学生の作品でもなく、清掃員の女性が描いた絵画作品を展示する特別な「個展」が開催されている。

食堂の入り口付近で開催されているこの「個展」のタイトルは「清掃員呉さんの『春』」だ。

呉立娣さん(47)は、南京大学仙林キャンパスの学生寮の清掃員。同大学で長年働いており、毎朝7時半から作業を始め、ゴミを拾ったり、清掃をしたりしている。

呉さんがその絵画の腕を初めて披露したのは2013年のことだった。清掃が終わり、寮の黒板に「おかえりなさい」という言葉しか書かれておらず、寂しいと感じて、そこに絵を描き出したという。

その絵を見た大学生たちは、てっきり呉さんは美術を専門に学んだものだと思っていたという。実際には、呉さんは絵を専門的に習ったことはなく、絵が大好きという思いと天賦の才で「大作」を描き出していたのだ。

それ以降、キャンパスで絵を描くようになった呉さんは描けば描くほど上達していき、そして次第に同大学の人気者にもなっていった。

そして、絵画を通じて、呉さんは学生とずっと親しくなったといい、「学生たちは実家を離れて暮らしている。実の子供ではないけれど、彼らに思いやりを示すことで、私自身もうれしい気持ちになる」としている。

今回の個展を通して、多くの人がすでに消されてしまった呉さんがかつて黒板に描いた絵を見ることができている。「私はユリ、雑草ではない。ユリであることを証明できる唯一の方法は、花を咲かせること」。これは南京大学の学生たちが呉さんに最も伝えたい言葉なのだという。(編集KN)

「人民網日本語版」2023年3月20日


○ 漢詩を暗唱すると入場無料になる中国の景勝地V.1.1

http://j.people.com.cn/n3/2024/0403/c94475-20153040.html

人民網日本語版 2024年04月03日14:41


  あるネットユーザーが最近、詩人の李白が「蜀道の難きは青天に上るよりも難し」と詠んでいる詩「蜀道難」を暗唱して、四川省の剣門関景勝地に無料で入場できたという動画を投稿し話題となっている。同観光地の入場料は105元(1元は約21.0円)だ。ネットユーザーからは、「『蜀道難』はとても長いのに、どうやって暗記したの?」というコメントが寄せられているが、剣門関景勝地のトラベルサービスセンターでは、暗唱に挑戦する観光客が長蛇の列を作っており、並んでいる時も練習している観光客も多いという。


  剣門関景勝地は最近、「蜀道難」を暗唱すると、105元の入場料が無料になるというキャンペーンを打ち出した。

  ここでは剣門関のほかにも、漢詩を暗記すると無料で入場できる中国の景勝地を紹介していこう。


○ 江西省南昌市の滕王閣景勝地は2023年から、VR(バーチャル・リアリティ)自動暗唱採点プラットフォームを打ち出した。


  デジタルヒューマン技術を活用して再現した唐の時代の詩人・王勃が、「試験官」となり、中国各地からやって来て次々と挑戦する観光客の暗唱を採点している。観光客が暗唱に挑戦しているのは王勃が詠んだ「秋日登洪府滕王閣餞別序」で、全文の暗唱に成功すると、無料で入場できる。



○ 湖南省岳陽市の岳陽楼景勝地では、法定の祝祭日に北宋の範仲淹が書いた散文「岳陽楼の記」を暗唱すると無料で入場できるキャンペーンを実施している。


  昨年の中秋節(旧暦8月15日)と国慶節(建国記念日、10月1日)に合わせた8連休には、スマート暗唱システムが導入され、デジタルヒューマンが、暗唱する観光客の採点を行うようになった。

  挑戦者は、5分以内に、「岳陽楼の記」の暗唱に成功すると、無料で入場券を手に入れることができる。

河南省安陽·岳飛廟


○ 河南省安陽市の岳飛廟景勝地では、入り口で南宋の武将・岳飛の詩「満江紅」の暗唱に成功すると、無料で入場できる。

  景勝地で遺跡を見学しながら、漢詩を読むと、来場者は悠久の歴史を誇る中華民族の優秀な伝統の魅力を肌で感じることができる。それはワクワクする体験となること間違いなしで、ポカポカ陽気が心地よい春の間に、漢詩を詠みながら、大自然に出掛けてみるのはどうだろうか。(編集KN)

「人民網日本語版」2024年4月3日





○ 広東省の大学が図書館に堂々と「ぼんやり」できるエリアを設置

http://j.people.com.cn/n3/2023/0328/c94475-10228325.html


人民網日本語版 2023年03月28日11:20

広東財経大学広州キャンパスの図書館に設置された「ぼんやりエリア」が最近、中国のネット上で検索のトレンド入りしている。多くの大学生が図書館でテスト勉強をした後、「ぼんやりエリア」で休憩し、リセットしている。また、「ぼんやりエリア」を見るためにわざわざやって来る学生もいるという。

図書館によると、「ぼんやりエリア」は実はもう何年も前から設置されており、そのユニークな名前も人気の秘密。


広東省財経大学図書館の王忠政館長は、「ぼんやりするとしているが、実際その本質となるのは人生についてじっくり考えること。『ぼんやりエリア』を設置したのは、学生が勉強の合間にリラックスやリセットして、インスピレーションを得られるようにするための場所を提供しようという考えから」と説明する。

学生たちは「ぼんやりエリア」で、遠くを眺めたり、物思いにふけったり、おしゃべりをしたり、うろうろしたり、何かを飲んだり、食べたり、ゆっくりしたりするほか、広州人工知能・デジタル経済試験エリアや珠江ニュータウンCBDの風景を眺めて、夢を馳せたりすることができる。

図書館には現在、「ぼんやりエリア」が6ヶ所あり、勉強・読書エリアと隣接している。


「ぼんやり」したい若者に対して前向きな見方を

同大学の心理カウンセリングセンターの王文龍副主任は、「『ぼんやりエリア』は、学生にリラックスできる場所を提供するほか、『ぼんやりする』ことの本当の意義を知ってもらうため。『ぼんやりする』というのは『さぼっている』というわけではなく、『現実逃避』しているということでもない。『ぼんやりする』というのは、忙しい中で暇を見つけて、急速充電する方法の一つ。堂々と『ぼんやり』すればいい」との見方を示す。

そして、「『ぼんやりエリア』が人気になっているということは、今の若者が簡単かつポジティブなスタイルで、ストレスに対応したいと考えていることを示しており、それを肯定的に捉え、応援してほしい。もっと多くの学校や会社などが『ぼんやりエリア』を設置し、『ぼんやり』したいという若者のニーズを満たしてほしい」と語る。(編集KN)

「人民網日本語版」2023年3月28日



<藤澤紫(國學院大学教授)さんの解説の続き>

③ 浮世絵とは日本史上初の大衆文化


<引用開始>

「また、「東錦絵(あずまにしきえ)」という言葉があって、略して「錦絵」とも言うのですですが、これはフルカラーに近いきれいな印刷物ということで、浮世絵の特徴は版画をメインに作られている、ということ。だから、単純であったり、色もパキッとしていたり、そして、なによりも安くて大量に出るので、一般大衆の手に届くようになった。

  グラビア(グラビア印刷されたもの。特に雑誌などの写真ページ)、ファッション雑誌、(花形役者たちの)ブロマイド、当時大衆の最高の娯楽であった芝居の情報を知るためのツールであったり、(観光)名所絵として旅の情報誌として、人々の創造力・夢をかき立てた。また、団扇(うちわ)に貼って楽しむ「団扇絵」、子供用の「おもちゃ絵」。

  絵画というものはそれまでありましたが、あくまでも「(天皇・貴族といった)上層階級(・上級国民)だけが楽しむ芸術」という位置付けであり、一般大衆が楽しむものではなかった。*()内は平栗がつけた注・補足語* 


 ところが、一般大衆が気軽に絵を買えるというのは、江戸時代が大きな転換期であった。しかも1700年代の後半はカラフルできれいな錦絵が「かけそば一杯」(200~300円)で手に入れることができた。

  つまり、当時最先端をいっていた江戸という都市における、髪型・化粧・ファッション・観光名所絵・旅行案内等を網羅した、総合情報誌の機能を果たしていた。」<引用終わり>


続く

2025年1月15日

V.1.1

2025年1月16日

V.2.1

平栗雅人

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現代の浮世絵 ② 中国式「文化は上級国民のものではない」 V.2.1  @MasatoHiraguri

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