第5話
わたしたちの出会いは2年前。
先生と生徒といった関係で知り合った。
と、いっても俗にいう禁断と言われる程のものではなく、専門学校の講師と生徒。
そう珍しい事でもなく、歳も2つしか離れていない。
右も左も分からない田舎の娘がその世界に飛び込んで、初めて恋したのがこの男。
大人でスマートでいつも女生徒に囲まれている彼に夢中になるのに、時間は掛からなかった。
「そろそろ、終わりにしないとね?」
床に散らばった下着を拾い上げて身に付けながら言うと、彼は煙草を灰皿に押し付け鼻で笑う。
「俺から離れられるとでも?」
「仕方ないじゃない、結婚……するんでしょ?」
「戸籍上、婿に入るだけだよ。学園長の娘と結婚すれば、俺の将来は安泰だからな」
狡猾な彼は自ら苦労をしようとしない。
資格を取り修行をし独立する者が多い中、彼は現場に出ることなく学園の教師になることを選んだ。
そして、来月、結婚する。
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