第2話
美容室「ANYMORE」の2号店が開店してから、2週間。
人事異動で2号店勤務になった水翔さんは、そこでリーダーに任命されたらしい。
根が真面目な彼だからきっと頼もしい存在になるのだろうけど、責任が増えた分だけ忙しさも増していて。
僅かな時間を見つけて、やっと今日が初デート。
といっても、門限までの数時間しかないけど、会えるだけでも嬉しいんだ。
「こんばんはー」
うわぁ、すごくお洒落な内装。
ドアを開けた私は、心の中で小さく叫んだ。本店とはまた違った雰囲気で圧倒される。
シャンデリアが眩しく光る入口を抜けて、正面にある受付に向かうと、レセプショニストのお姉さんが笑顔で迎えてくれた。
「心葉さんですよね?水翔さんから聞いています。まだ仕事中ですので、そちらのソファーでお待ちください」
「はい」
「飲み物お出ししますね」
「あ、いえお構いなく」
本店のスタッフさんもそうだったけど、美容室で働く人って、どうしてこんなに気が利くのだろう。
ちゃっかり紅茶を淹れて貰った私は、待合スペースのソファーに身を沈めて、水翔さんの姿を探した。
前はすぐに見つけられたけど、今は少し時間がかかる。
真っ黒の髪の毛になってしまって――――あ、いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます