第一章「聖者の漆黒」第四部「回帰」第2話
最初は
総ては
数日前に夢に現れたことが始まりだった。
〝
それは
それでも
そして、総ての
〝 その
何度も繰り返される
〝 終わらせられる
その意味は
〝
数日、
それでも気持ちのどこかに
それは
いつからか、それは
どこかで
しかし〝
──……
そこに僅かながらの希望を
そこに
──……私の
そこに〝
そして、それを
それでも、心の
その
そして、
あの
長い年月の中で、ただ、
その相手が、今、
その
自分は
──……私が
──…………
お互いに口を開くことのないまま、二人の間を
やがて、
そして、その口角が微かに上がった。
小さく開く。
「…………元気そうですね…………」
その声に、
自然と体が動き、そして口を開く。
「……
僅かに
その意味を、人はあまり考える理由へと
そして二人の間には、総てがあった。
今があった。
お互いに次の言葉が見付からない。
やがて聞こえる声は、
〝 同じですよ 〟
それは、間違いなく
二人とも、ただ耳を
〝 我々には同じ
〝 それは
「その
「今…………その〝
大きく広がる
しかし、同時にそのことの
「しかし…………」
やっと声を
「
様々な
もはや
その中で、
何が正しいのか、何が正しかったのか、
その
「終わらせられるのですか……〝
「
応えた
──……今日ここに来たことは……絶対に、間違いではない…………
「
「
「今…………私たちの
その
──……
それは決して〝
言葉に出来るものでもない。
ただ、
そして言葉を
「
「
その
〝 すでに、
「〝
反射的に口を開いていた
〝 もはや御二人の
〝 御二人の手を
「
言葉だけではない。
そこには
「
☆
音を立てて燃え上がる
他に明かりと呼べるものは無い。
二人は並んで
顔を上げたまま目を閉じ、両手の指を
言葉に〝
それを
どれだけの時が
それは、まるで
しかし二人は
気持ちが引くことなどあるはずがない。
そこには間違いなく、
やがて、炎が
二人の
音の静まりと共に、僅かばかりの
──…………
〝
再び気持ちが
〝 押さえ込んだだけのこと 〟
〝 終わってはおりません 〟
〝 ここは
〝 残る
「…………
反射的に
ゆっくりと、何時間かぶりに
そこに
〝
「
その
「小さな物ですが……私が作りました…………総てはあの
事実だった。それは
そして、そこで
「……どうすれば…………」
〝 行きますよ……
〝 待っている人がいます 〟
「……待っている人とは……それは────」
その
「────私も行く」
しかし、それに返すように今度は
「なりません……
「しかし────」
「
「ここで、
すると、
「
すぐに
「急いで
☆
あの時は、
しかもあの時と同じ深い夜。
今回はどうなのだろう。ふとそんな
〝 私も一緒ですから 〟
しかし今は違う。何かが
そして、一人ではない。
〝
〝
「
小さく
〝
その
あの時、
──……だから私は…………
やがて
「火を!
真っ直ぐと
しかし、その
暗い
小さな後ろ姿。
小さな白い
その人物は
小さな背中だった。
そして、
動けなかった。
今まで誰からも感じたことのない〝強さ〟────。
その小さな存在は、あまりにも大きい。
そこにあるものは〝
──……この
深々と落とした口を開く。
「
そこに、返るのは軽い声。
しかし、
「……
「私をここに呼んだのは……あなただよね…………
──……そうか…………
「私は
──…………私が………………
「
その言葉に、
──……ありがとう
☆
「一体どこに行くんですか⁉︎」
しかも
それは確かに
確かに
その
よって、
「
「もちろんです。
「あ、オッケー分かった分かった」
──……
「で? その
「えっとね、何やらその
「それだけですか?」
「うん、それだけ」
「私も電話でただ来て欲しいって言われただけで…………」
「いつも
「ホントですよ。ハッキリしないし…………」
何も解決しない会話だけを
その日の午前中、
すでに夜。
──……今夜のご飯どうするかも聞いてない…………
自分の能力に
「でも見付けられるのかなあ」
ふと
「? どうしてですか? 前回行ってるんですよね」
「そうなんだけど……普通に探しても見付からないんですよねえ。だからオカルト的に盛り上がってるところもあるとは思うんですけど…………」
──…………あれ……?
林の中の開けた場所。
大きな
その中を
その音までが聞こえた。
それが、頭の中を
無意識だった。
全身を何かが走り抜ける。
「どうしました?」
無意識に
──…………気持ち……悪い…………
全身を何かが
体の中を誰かに
前後も上下も分からない。
不安を
そこにはすでに、ヘッドライトを
エアコンで冷やされた車内の空気が
そこには両耳を手で
──…………ごめん…………
「
エンジンを止めて車を降りた
すかさず
「
「あ、どうも……
こんな言葉しか返せない自分を少し
その
「ジャーナリストだけど、信じられるパートナーだから安心して下さい」
そして再び
「入り口はここじゃないから……少し歩くよ」
「違うんですか?」
反射的に返していた
「
やがてまだ少し息は
「だいぶ楽になったね」
しかし返すように目を合わせた
無理もなかった。
何かが自分の〝中〟に入り込む。
その
──……どうすればいい…………これから…………
──…………守り切れるの…………?
それでも今の現実へと振り切った。
──……もう引き返せない…………
「こっち」
その
そしてやはり、
〝
弱々しい二つの
「
「……そうですか……」
しかしその
そこにはまっすぐと前を
──……何かあったんだ…………
〝
──……でも…………
──…………何者なの…………?
そこに前を歩く
「ここ」
「え?」
無理もないだろう。他の所と何も変わらない。無数に並ぶ太い木と地面を
しかも
しかも夜。
「無理ですよ
その
二人とも、普通に入っていく。
「
「
その声が続く。
「母の言っていた通りでした……私も来るのは初めてですが…………」
──……どういうこと…………?
そして、
それまでは地面すら見えなかったはず。しかし今、
──…………道がある…………
しかもそれは目の前を長く続く
そこに聞こえてきた声は
「元々住んでた人がいるってことは、どんなに古くても道はある。そう思ってた。でも今は普通の人には見付けられない道になってる…………〝
「……
「
──…………
「終わったら……全部説明してあげる。でもごめん
その言葉に、やっと
そして口を開いた。
「ま、いつも安くしてもらってるんで」
すると、
「今回は格安になるかも」
そう言った
知り合って一年近く。
今まで科学では割り切れないような
しかし、今は、怖かった。
普通に生きてきた人間が言葉で説明の出来るものではない。
昔と違い、近代になって科学的に説明されたオカルトの
それでも、
それを今、
──……これが…………
ただ不思議なだけではない。
そこに
──…………
そして、聞こえる音。
小さく風に乗っていた。
木々の
しだいに増える、音の
それがゆっくりと周囲に広がっていく。
──……あの時と同じ…………
すでに後戻りなど出来ないことを、
〜 あずさみこの
第四部「
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます