第4話 「ペリーヌ物語」=「アン・ファミーユ」

 私が大好きな作品「家なき子」

 出崎 統さんの監督作品で、原作タイトルは「サン・ファミーユ」と言います。

 その姉妹作品である「アン・ファミーユ」も、日本では「ペリーヌ物語」として放映されていましたが、どうも正当な評価をされているとは言えません。

 この「ペリーヌ物語」、前に書いた「母を訪ねて三千里」と同じハウス名作劇場のシリーズ作品で、「アルプスの少女ハイジ」や「フランダースの犬」、「母を訪ねて三千里」、「赤毛のアン」などが有名過ぎて、なんとなく埋もれてしまった感が否めません。

 順番的には


1974年 アルプスの少女ハイジ

1975年 フランダースの犬

1976年 母をたずねて三千里

1977年 あらいぐまラスカル

1978年 ペリーヌ物語

1979年 赤毛のアン

1980年 トム・ソーヤーの冒険


 となり、こうして見ると名作の間に挟まれているように見えます。

 そう言えば、赤毛のアンなんて、考えてみると随分大人なテーマを子供向けにやっていたんだなあと感じます。

 アンが大きくなって大学に行き、マリラが幼かった頃のアンの服を見て泣き出すシーンがあって、なんて大人びた演出をするんだろうって、子供心に思ったものです(本当に子供心なのか(笑))

 このくだりって、時間の取返しのつかない不可逆性を書いたもので、毎日が充実していたり、忙しいとこれに気付かず、歳を取ったある日、それに気付いて思わず泣き出してしまうのですから。

 

 さて、このペリーヌ物語、日曜日のフジテレビ系列、ゴールデンタイム枠と言う、思えば凄まじい時間帯に放映していたのですが、さすが「家なき子」と姉妹作品だけの事があって、一人の少女がインドからフランスへ向けて旅をします。


 ・・・・もう、この時代の少年少女は、長距離移動しないといけない規則でもあるのか、と言わんばかりに・・・・旅路が長いのです。

 

 しかし、後年調べて解ったのですが、このテレビアニメの前半部分は、実は原作にはない、アニメオリジナルストーリーだと言うのです。

 

 ・・・・えーーーー!!!!


 それを知った時、本当に驚きました。

 いや、もの凄くよく出来ていたんですよね。

 原作では、ヨーロッパに入った頃から始まるのですが、アニメはまだアジアと欧州の中間付近から始まります。

 90年代に大きな戦争があった、ボスニア・ヘルツェゴビナ付近も旅していて、随分政情不安な地域を旅してたんだな、って思いました。

 そんな母親との二人旅が、アニメでは前半暫く続いてから・・・・の別れ!

 もう、主人公のペリーヌが可哀想で可哀想で。

 アニメの中のヒロインながら、何とか助けてあげられないか、って本気で思いました。

 また、この時主人公ペリーヌの声を担当していたのが、若かりし「鶴 ひろみ」さんでした。

 2017年に急逝されましたが、アンパンマンの「ドキンちゃん」や、ドラゴンボールの「ブルマ」と言えばピンと来るかもしれません。

 1960年生まれで、1978年放送の番組で主人公・・・・

 収録時には、まだ高校生で17歳、それは役柄にも大きく反映されています。

 なんと申しましょうか・・・・守りたい! 守ってあげたい! って声なんです。

 誠実で清楚で頑張り屋さんで純粋で・・・・

 私の理想のヒロイン象の中でも、かなりランキング上位のキャラクターです。

 この鶴ひろみさん、この作品終了後、少し出演を控えていましたが、復帰してご活躍されていました。ところが首都高運転中の大動脈解離による突然死と言う、ショッキングな亡くなり方をされています。

 

 このペリーヌ物語の時代、その後の日本のアニメーションが世界へ羽ばたく原動力となった方々が多くテレビアニメを担当されていました。

 次回は、そんな時代の名作を、どんな方々が作っていたのか、ちょっと触れたいと思います。

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