第4話 再会
「りおちゃん、もっと自信を持って真面目に仕事しなさい。そしてもっと患者には優しく寄り添ってあげなさい。あなた昔嘘つく大人嫌いって言ってたじゃない。今のあなたは自分に嘘をついて仕事をしているみたいよ」弱々しい声の中に確かに轟くその言葉に私は昔の先生の面影を見た。また、みちこ先生が私に気づいていたことにも驚きを隠せなかった。なにより心のどこかで安堵を感じる私がいた。「先生、覚えていてくれたんですか?」私は興奮を隠せず彼女に確認を迫った。「当たり前じゃないの。あなたの事を忘れるわけ無いわよ。あなたの成長した姿を見るためにここに来たのよ」先生は仏のような優しい顔で私に微笑んでくれた。この時になってようやく本当の意味で再開を果たせた気持ちになった。私はその後もみちこ先生と昔話に花を咲かせた。昔話をしている時見せたみちこ先生の顔は笑顔で満ち溢れていた。彼女と話して、少しだけあの時の自分に戻れた気持ちがした。気づいたら時間はとっくに決められた時間は過ぎていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます