第4話 再会

「りおちゃん、もっと自信を持って真面目に仕事しなさい。そしてもっと患者には優しく寄り添ってあげなさい。あなた昔嘘つく大人嫌いって言ってたじゃない。今のあなたは自分に嘘をついて仕事をしているみたいよ」弱々しい声の中に確かに轟くその言葉に私は昔の先生の面影を見た。また、みちこ先生が私に気づいていたことにも驚きを隠せなかった。なにより心のどこかで安堵を感じる私がいた。「先生、覚えていてくれたんですか?」私は興奮を隠せず彼女に確認を迫った。「当たり前じゃないの。あなたの事を忘れるわけ無いわよ。あなたの成長した姿を見るためにここに来たのよ」先生は仏のような優しい顔で私に微笑んでくれた。この時になってようやく本当の意味で再開を果たせた気持ちになった。私はその後もみちこ先生と昔話に花を咲かせた。昔話をしている時見せたみちこ先生の顔は笑顔で満ち溢れていた。彼女と話して、少しだけあの時の自分に戻れた気持ちがした。気づいたら時間はとっくに決められた時間は過ぎていた。



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