第2話 夢
いつも見る夢がある。
高校生の時付き合っていた彼の夢だ。
いつも夢の中ではハッピーエンドになる。
しかし、現実は一年間付き合って、振られてしまった。
彼との出会いは、ライブハウスだった。
氷室京介率いるボーイのコピーバンドをしている女友達のバンドのライブを見に行った時、彼女たちが仲良くしていた他校の男子生徒の康孝が積極的に話しかけてきた。
格好良かったし、何よりも康孝が歌う「季節が君だけを変える」は氷室京介が歌うよりも迫力があった。
康孝は進学校に通っていたため、ライブではない日は図書館でのデートの日々だった。
キスまではしたがそれ以上の関係に康孝は持っていこうとしなかったし、果歩自体も怖かった。
高校三年生になって、本格的に受験シーズンになってから、バンド活動も辞め、そして、康孝は恋愛は受験勉強の邪魔になるから別れようと言って、一方的に振られてしまった。
しかし、果歩にとって、康孝との一年間は夢のような時間だった。
果歩自身成績も上がったし、音楽もたくさん聴いた。
輝かしい思い出として、30年弱経った今でも、脳裏に焼き付いているのだろうか?
いつもハッピーエンドに終わる。
そして、目覚めて現実に戻されてむなしくなる日々の毎日だった。
もう一度、高校生のあの頃に戻れるのなら・・・。
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