第16話
「クックックッ!!……ナナ?」
妹の様子に笑うのを止めるロク。
「……里哉兄」
「なんだよっ」
ハブて気味の里哉。
「その刀……」
「おおっ!取り返してきた!」
刀のことになるとご機嫌になる里哉は、たちまち笑顔になり刀を掲げる。
「取り……」
「返し……?」
それはつまり……
先生から許しもなく持ってきたと……
「ごるぁあっ、佐野ーーっ!!」
「ゲェッ!?」
里哉の担任の先生が鬼のような形相で、3人にむかって走ってくるではないか。
バレたらしい。
「逃げるぞ!!ナナ、ロク!!」
走る体勢になる里哉。
しかし
「「いやいやいや」」
「あ?」
「捕まえろっ、双子!!」
「「ラジャー」」
「おっ、お前らっ。信じてたのにっ」
「すまないっ。里哉兄」
「俺達は……先生には逆らえない体になってしまったんだ!!」
小学生からこれまでに散々叱られ、罰掃除をさせられ拳骨をもらってきたから。
「大人しく捕まれ、里哉兄」
「今ならトイレ掃除くらいで」
「裏切り者どもがぁああああああっ」
ゴンッ!!ゴーンッ!!
チーン……。
双子が里哉に敵うはずもなく……
鞘に納められたままの刀で頭を殴られ撃沈したのだった……。
「じゃーな!!」
((里哉兄……呪))
「佐野ーー。明日覚えてろよぉー」
スタコラサッサッと逃げる里哉。
はてさて、里哉は明日を無事に過ごすことが出来るのであろうか!?
「「「無理だな」」」
肩を組み、同士3人暗い暗い笑みを浮かべ、いつまでも里哉が逃げていった方を見ていた。
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