どうした

第15話

「「「……」」」



先生のお説教も済み、残りの1限だけ授業を受けて3人組帰宅途中。



3人に会話はない。


というか、ナナとロクは話せる状態にない。


何故ならば、口を開いてしまうと……




「笑えよっ。笑えばいいだろっ」




堪えきれず里哉絶叫。




「バッ……里……に……」



「……っ」




必死に話そうとするナナ。


フグみたいに頬を膨らませてるロク。



そして



「「フワーッハッハッハッハッハッ!!!!」」




同時に大爆笑。


アスファルトに崩れ落ちる双子。


腹を抱えて笑う双子に対し、苦虫を噛みしめまくったような渋ーい表情の里哉。




「な……なにっそっっそのあたまっ」



「なんでっっなんでっっ」



「……」



「頭に白のテーピング貼っ貼ってんの!?」



「しっっしかも❌でっっ」



「「ひーひっひっひっひっ。しっしぬっ」」




そう、何故か里哉の頭にはスポーツ選手が使う白いテーピングがバッテンに貼られていた。



しかも頭頂部にデデンッ!!と。



その頭頂部がまた少し腫れてるものだから。




「先生に拳骨されて腫れたから、クラスの女子がやってくれたんだよっ」



「「~~っっ!!」」




グッと親指を立てる双子。



どうやらそのクラスの女子を讃えているらしい。



しかしテーピングは拳骨に効き目はあるのか……。



なんて考える奴はここにはおらず。




「!?」




笑い続けるナナの鼻先に、里哉の愛刀の鞘が……。



没収されたはずの……。




スッとナナが笑うのを止めた。

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