第90話
「一華ちゃーん?」
「んー、今行くー」
一階から八千流に呼ばれる。
部屋で制服に着替えていたあたしは、準備がすんで下に下りた。
いつも思うんだけど八千流、準備が早すぎない?
下に下りると玄関で双子が待っていた。
制服に着替え、完璧に用意のすんでいる二人。
二人ともバシッとキマっている。
「ごめん、お待たせ」
「大丈夫。じゃあ行きましょ」
ニッコリ笑って話す八千流のスマホが鳴る。
「ん”っ!?」
「オイ?」
「八千流?」
首にかけていた(よく落とすので)スマホを手に取り固まる八千流。
「ママ……」
「「!!」」
八千流の呟きに固まる、あたしとハイド。
しまった……。
忘れていた。
夜中になったこと、晃さんが来たことですっかり忘れていた。
昨日のことをお姉ちゃんに報告をすることを。
「「「……」」」
沈黙。
ダラダラ流れる汗。
お姉ちゃんは怒ると怖いのだ。
パパやママも怖いのだけど……お姉ちゃんは更に怖い。
いつもやんちゃなことをしても、たいがいのことは笑って許してくれるのだけれど。
昨日のはダメなやつだ。
竜希さんから連絡はとうの昔にいってるだろうから、昨日のことはもう知られているだろう。
泣きそうな表情で、あたし達を見てくる八千流。
「早く出れ!!」
ハイドの叫びに頷くあたし。
「なんで八千ー!?」
「母さんのご指名」
「八千流、ふぁい」
「う”ーっ」
恨めしそうにこっちを見てくるが、ハイドの言う通り、お姉ちゃんのご指名なのだ。
「ふー……。ハイ!ご指名ありがとうございます!八千流です!」
((このバカッ))
電話に出たのは良いが、何故かふざけた八千流。
ハイドと二人、仰天していると
『……ふざけてるのか?』
「「「!!!!」」」
スマホから低いひくーーい声が聞こえてきた。
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