第3章

第88話

一華side



「ふわぁあ……」



良く寝た。


なんかとても良く寝た。



「……え?三ツ井来たの?」


「ああ」



リビングに行くと、既に起きてたハイドがいてコーヒーを淹れてくれる。


その時に真夜中に三ツ井が来たことを教えてくれた。


全く気付かなかった。



「晃が外で追い返したけど」


「グッジョブ、晃さん」



あたし達の眠りを妨げるなと、激怒だったらしい。


怒れる晃さんと怯える三ツ井。


ちょっと見たかったかも。



「朝も来ない?」


「晃が居るから来ないだろうな」



コトンとあたしの前にコーヒーカップを置いたハイドが言う。



「ありがとう」


「嬉しそうだな」


「晃さんに毎日居て欲しい」



朝は静かに過ごし



「ほぁああああっっ!!」


「起きた」


「起きたな」



八千流と晃さんはまだ寝ていた……んだけど。


八千流が起きてバタバタと走ってきたと思ったらTVにかじりついた。



「桂ーーっ!!」



八千流のこの世で一番大好きな、俳優さんのCMが流れ出した。



「おはよー」


「おはよう、晃」


「おはようございます」



八千流の後を付いてきたのか、晃さんも姿を見せた。


朝から爽やかさんだ。


あたし達を見て挨拶をし、TVから離れない八千流を見て微笑んでいる。



「晃も飲む?」


「飲む飲む!ハイドンのコーヒーが朝から飲めるなんて幸せだ」


「大袈裟」


「そんなことないよ。ね、一華ちゃん」


「うん。ハイドのコーヒーはマジ美味」


「っっ」



照れてるね、ハイド。


仏頂面だけど、ほんの少し耳が赤い。



「可愛いよねぇ」


「可愛いですよね」



「なんだよ、その顔」


「ハイドーッ!!」


「喧しいっ」


「やちもコーヒー!!」



CMが終わったらしい。


ニッコニコの八千流もこっちへ来た。



「自分で淹れろや」


「えー、ハイドが淹れたのが美味しいんだもの」


「〜〜、座ってろ」


「はーい」



ハイドはどうも八千流には勝てないらしい。

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