第85話

ハイドside



『『……』』



雑魚寝決定で、この家のデカい和室に布団を敷いて、八千流と一華はもう寝た。


二人仲良く並んで、さっきの事件などなかったかのように健やかに。


さっさと寝た。


そして俺と八千流の間に寝るはずだった晃は……



外で殺気を出しまくっている。


というのも、やけに遅くなって静が来たから。


ここから現場まで5分くらいなのに、一時間は過ぎてから来た。


もう来ないかと思ったんだが来た。


まぁ遅くなったのは、憧れの竜を前に固まっていたか、犯人の一味に間違われたかのどっちかだと思うけど。


八千流と一華が寝た後だったもんだから……


晃がブチギレた。


「可愛い姫達の眠りを妨げる奴は赦さん」と。



俺も出ようとしたが


「今日も学校でしょ?寝なさい」


と言われた。



『お前何時だと思ってんの?』


『いや、あの』


『まさかいつもこんな時間に来てんじゃねぇだろうな?』


『まさかっ!!今日は』


『うるせぇ。三人の貴重な睡眠時間を邪魔するんな。殺すぞ?』


『っっ。すんません!!』


『さっさと帰れ』


『はい!!失礼します!!』


『うるせぇ。3人が起きるだろうが』


『すみませんっ』



暫くして、襖が開き静かに晃が入ってきた。



「晃」


「おろ?まだ起きてたの、ハイドン」



さっきまで殺気をダダ漏れさせていた人物とは思えない程ニコニコで俺と八千流の間に寝転ぶ晃。



「聞きたいことがあったんだ」


「うん?」



いつもいつも何よりも俺達を最優先してくれる。


俺達を無償で愛してくれる。


でももう俺達は大きくなった。


だから晃は自分の幸せを求めて良いんだ。



「晃の幸せって、何?」

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