第83話

「頼もしいなぁ」



私達を見てフニャッと笑う晃さん。


でもすぐ真顔になって



「でも、覚えておいて」



「「「???」」」



「“黒豹”の、俺達の宝物は一つじゃない。やっちん、ハイドン、一華ちゃんもまた俺達の宝物なんだ」



「あたし達……も?」



「そう」



「え!?やち達、宝物だったの!?」



「……俺達が」



あたし達が“黒豹”の宝物。



「だから」



晃さんが言葉を切る。



「「晃??」」



「また今日みたいなことがあったらまず自分の身を最優先にして。怪我なんてしないで。バイクは取り戻せるけど、三人がもし……」



その先は続かない、続けられないみたい。



あたし達がもし、治らない怪我をしたら……


死ぬ……なんてことになったら。



「耐えられないよ、俺は」



眉をハの字にして言う晃さん。



「「晃!!」」



八千流とハイドが晃さんを抱きしめる。


あたしは正面で三人を見守る。



「大丈夫!!やち達は晃をおいて死んだりしないから」



「怪我もしない」



「自分の身を最優先、了解です」



きっと他の皆も同じことを言うのだろうな。



だから頷く。



「うん、お願いーー」



双子を抱きしめ返し、晃さんは深く息を吸った。



「良い匂い」



「「怖い怖い怖い」」



「フフ」



「さて、帰ろうかな」



「「「え???」」」



「え?」



「もう遅いから泊まっていってくださいよ」



「そーだよ!!晃!!泊まっていって」



「うん」



「えー!?良いのー!?」



さっきまでのシリアスはどこへやら。



やったぁ!!と、晃さんは元気に喜んだ。



「四人で雑魚寝しよう!!」



「「「それはNO THANK YOU」」」



「なんで!?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る