第82話

「ありがとう」



皆で真夜中のコーヒータイム。



ハイドの美味しいコーヒーにホッと一息ついていたら、晃さんにお礼を言われた。



「「「???」」」



あたし達は首を傾げる。



なんの礼だ?



「俺達の……“黒豹”の宝物を守ってくれて」



柔らかく微笑む晃さん。



ああ。



「それは」



「ほぼ」



「「コイツのおかげだから」」



「んん?」



シュークリームを一口で食べていた八千流があたしとハイドに指差されキョトンとする。


その後


えっへん!!と胸を張った。



「もごぬごごごこごだからね!!」



「何言ってるか全くわからねぇ」



呆れ顔のハイド。



「一口で食べるから」



ガタンッ!!



「「「???」」」



「やっちん、クリームがついてる」



向かいに座っていた晃さんが立ち上がり、八千流の元へ。



そして



ベシッ!!



ゆっくり顔を近づけていくが、八千流の手によって止められる。



「晃?」



「舐めてとってあげようかと」



「結構よ。それをしていいのはあの人だけなんだから」



「俺でしょう?」



「ち・が・う」



流し目でカッコよく言う晃さんに、ニッコリと笑って否定する八千流。



「ちぇっ」



「百音より手がかかるんだけど」



「むーっ」



ハイドが八千流の口を拭いてあげてる。



綺麗に拭いてもらったところで



「ありがとう、ハイド」



「ん」



八千流はハイドにお礼を言って、晃さんに向き直る。



「何かとても嫌な感じがしたの。で、車庫の方へ行ったら」



泥棒達を見つけてしまったと。



「やっちんのその勘の良さには感服するよ」



「フフ。ママ似なの」



嬉しそうに言う八千流。



ちょっとハイドが不服そうだ。



「アレは八千とハイド、そして一華ちゃんの宝物でもあるんだから。守るのは当たり前なのよ。ね」



そう言って、あたしとハイドを見る八千流。



あたし達は顔を見合わせ



「そうだよ、晃」



「うん。アレを奪おうとする奴は誰だろうが許さない」



頷いた。

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