第79話
あたしが電話しているのに気付いた二人は、何故か相手の口を手で塞いだ。
そしてそのままキッチンの方へ消えて行く。
『さっきの声は八千流とハイドかな?』
「そう。今日は泊まってくれるみたい」
ハイドなんて百音にってシュークリームを買っていたから帰るもんだと思っていたけど。
未遂とはいえ事件があったから、心配してくれたのだろう。
『本当に二人が居てくれて、パパは心強いよ』
「うん」
パパの言葉に素直に頷く。
素直なあたしに、パパは笑う。
柔らかい笑い声が耳に心地良い。
『でも“黒豹”の車庫に強盗とは』
「うん」
『ありがとう、阻止してくれて』
「ほとんど八千流が阻止してくれたようなもんだけどね」
『今度、お礼をしよう』
「お願いね」
『ユッキーにも言って暫くは警備してもらうかな』
「うん、それが良いかも」
『わかった。家の方も頼んどくから、安心して』
「うん」
声は穏やか。
でも内心はとても怒っているのが電話越しからでも伝わってくる。
パパにとっても“黒豹”は宝物だ。
「寒っ」
「なんか寒いんだけど!?」
戻ってきた八千流とハイドが叫んだ。
どうやらパパの怒りを感じ取ったらしい。
『もうそろそろ寝かせてあげなさいよ』
ママの声が聞こえてくる。
『そっか、そっちはもう真夜中だよね』
「うん」
まだパパと話したいけど……
『おやすみ、俺の可愛い一華。愛してるよ』
「あたしも、愛してるよ。パパ、おやすみ」
そう言って電話を切ると、双子がニコニコとあたしを見てた。
「何?」
「「なんでも」」
「……」
どうせ、ファザコンって思ってるんでしょ?
わかってま
ピンポーン!!
「「「!!??」」」
真夜中の家に、インターホンが鳴った。
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