第66話

って、そんなことは良いのよっ。




「少年!!」



「……」



「ありがとう!!この借りは必ず返すから!!それでもって」



「なんだ」




ふぉお。


早く行けオーラが半端ない。


でもこれだけは言わないと。




「怪我なんてしないでね」



「しない」




即答。



スッと差し出される拳。



おお!!




ゴツ!!




八千はそれに自分の拳を当て、もうおチビの方は見ずに車庫へと走る。



急げっ急げっ。

















おチビside



宛もなくただ歩いていた。


夜に歩くのは好きだ。



灯りの少ないところで空を見上げれば星も見える。



それにーー


ウジャウジャと出てくる"悪"を狩ることが出来る。




黒豹の車庫ここに来たのに意味はなかった。



歩いていたら着いた、それだけ。



そうして遭遇したのが不穏な動きをする男達と……何故か犬に追われている真木八千流だった。



真木八千流の強さなら、あんな犬は楽勝だろうと思っていたが



彼女は逃げるだけで一向に犬を倒そうとしない。



あげく……腕一本を犠牲にしようとしたから……



おもわず助けに入った。



なるべく犬を傷付けないように。



犬も悪人に操られているだけだ。



そうだとしても




「バカなのか、真木八千流」




下手をしたら一生残る傷になるかもしれないっていうのに。



しかしこの女はピンチでも喧しいし、人のことを平気でおチビ呼ばわりするし不愉快極まりない。



なのに……



無邪気に笑いかけてくるところに、自分よりも人の心配をするところに……



手を貸したくなった。




"怪我なんてしないでね"




しない、と即答した。



こんな奴らに負けるか。




「このガキがぁああっ!!」



「調子に乗るなよ!?」



「弱い犬ほどよく吠える」



「「「ハァア!!??」」」



「吠える間があるならさっさと来いよ」




瞬殺だ。



そう思って笑った……




「あ」




ところで、真木八千流とは違う女の声がした。



この声……

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