第61話
ソローリ、ソローリ。
ゆっくりと細心の注意を払って、車庫へと近づいていく。
この時間、いつもは静かな時間。
けれど今は“うるさい”
空気が、気配が。
うーん……
八千、夜も目は見える方だけど……
散らばってて何人いるかわからない。
でも結構いるね。
多い。
全部持っていこうとでも?
フッ。
一台だって持って行かせやしないわ。
カモ発見。
仲間がいるからと油断しているのか、一人でボケーッと立っている。
ここを何処だと思っているのか。
“黒豹”の本拠地よ?
油断してると……
喰われるわよ?
八千は気付かれないように、ソッとソイツに近付くと体育で使ったタオルを音もさせず首に回し……
力一杯引いた。
「ぐっ!?がっ!?」
柔らかフワフワタオルであることに感謝してね。
暴れる男。
でも八千とそんなに体格の変わらない男なので、暴れられてもそんなに苦ではなく抑えられる。
八千、鍛えてるのよ。
力で負けるのは悔しいでしょ?
意識を失わせない程度に首を絞めつつ
「さてアナタ達は誰で、ココで何をしようとしてるのかしら?」
耳に囁きかけると、男の身体がビクッと跳ねた。
「お”ん”な”!?」
「正解。で?こんな暗い、遊ぶようなところもない場所でアナタは突っ立って何をしてるの?」
「ぐっっ」
少しだけ引く力を強くする。
ちょっと急がないとね。
仲間が来たら面倒……
「オイッ!?何してる!?」
ありゃ、バレちゃった。
バレたのなら仕方がない。
「グェッ……」
男を絞め落とし、振り返ると男二人が居た。
目ざし帽を深く被っていて顔は見えない。
悪者です。と言っているようなものね。
「こんばんは。悪いことをするには良い夜ね?」
そう言って、八千は男達に笑いかけた。
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