第51話

「その毒牙がお前達にも及ばんとも限らん。近々“Addict”は潰すつもりだったが……」




まさかもう関わっていたとは、とユッキーはまたしても深い深い溜め息をつく。



ごめんね、ママ似のトラブルメーカーで。



そう言うと




「本当にな」



と苦笑いをされてしまった。




「潰すんだね」



「ああ」



「その時、八千も一緒に行っていい?」



「あ”あ”!?」




わぁおっ。


ユッキーの顔がみるみる凶悪に!!



通りすがりの人が見たらチビるレベル!!




「なんでだ?」



「ん?」



「なんでそんなに“Addict”に拘る?友達は無事だった、それで良いだろうが」




……。


さすがユッキー。



んー。


言っても良いのかな?



“黒豹”のマークの旗があったこと。


“黒豹”


一華ちゃんのパパやユッキーが作った走り屋チーム。



バイクとケンカ好きが、一華ちゃんのパパやユッキーに憧れた人達が寄ってきて大きなチームになったソレは暴走族と呼ばれるようになって。



強くて、それでいて決して悪事には手を染めない暴走族らしからぬ暴走族。



そう呼ばれていたんだって。



そしてユッキー達が引退して、八千のパパ達が継いでいくんだけど……。



“黒豹”は八千達が小学生の時に解散してしまった。



受け継げる者が居なくて。



一華ちゃんは“黒豹”が大好きで、必ず入るって言っていた。



“黒豹”が解散するって聞かされたときは、大泣きの大泣き、泣き崩れた。




そんな大好きな“黒豹”のマークが犯罪店にあった。



一華ちゃんは許せないだろう。



もちろん、八千とハイドも許せない。



もしそれを悪用しているのなら、自分達の手で……。



一華ちゃんもそう思っているはず。



ユッキーに言ったら、絶対に関わらせてはもらえない。



だから




「工藤組の皆の働きを近くで見たい」




と当たり触りないことを言ったのだけれど……




「だーれが嘘をつけって言った?」




すぐさまバレた!!



なんでぇーえ??




がぶりっ!!




「に”ゃーーっ!!」




鼻をっ鼻をおもいっきり噛まれた!!




「八千流ちゃん!!」



「!!」




あわわっ。


八千の悲鳴?が大きかったのか、ひなちゃんが来ちゃった!!



ユッキーが「バカタレ」なんて言ってるけど、ユッキーのせいだからね!?




「ほーう?」



「ごめんなさい。嘘をついた八千のせいです」




また噛まれそうだったから謝った。



だって、あれ痛いっ!!


きっと今、歯型がバッチリついてるからね!!



桂には見せられない、桂以外の人につけられた傷なんて。



なんて思ってたら




「フッ」




ユッキーに鼻で笑われた……。

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