第48話
雪代side
コイツは……。
久しぶりに会いに来たかと思えば、何故その名を口にするのか。
さっき抱えたら、重くなっていた。
昔はハイドも一緒に抱えていたのに、もう無理だな。
大きくなった。
それに喜びを感じる反面、アレの子だ。
トラブルに巻き込まれ、首を突っ込むことも多々あるのだが……。
「ハァー……」
「おおぅ……」
デッカい溜め息をつけば、八千流が苦笑いを浮かべる。
「そりゃあ、ひなには聞かせられねぇわ」
「うん!そうなの!だから、やちのお願い聞いてくれてありがとう、ユッキー」
パンッと両手を叩いて八千流が笑う。
このヤマが危ない、とわかっているのだ。
だからひなに心配かけないために。
双子の姉である、ひなは双子をそれはそれは大事にしている。
昔のことに起因するが、己の命よりも。
そして双子もまた、ひなを深く愛している。
だから、ひなの言うことはきちんと聞く……のだが。
たまにこうして、“ひなには内緒”の話をする。
まぁ、あの二人の子供だから仕方ねぇし。
何があっても乗り切れるように頭と体、それぞれ鍛えてある。
だがわかっていてもやっぱり危ないことには関わってほしくないんだがな……。
祖父の心、孫知らずだ。
「それで?なんでお前がその名を知っている?」
「ってことは、ユッキーも知ってるのね」
「ああ」
「昨日、そこに行ったんだけど」
「あ”あ”?」
なんだと?
「正確には行ったのはハイドだけ。やちと一華ちゃんはその周辺を走り回ってたんだけどね」
あっけらかんと言う八千流。
「ハァー……」
「ユッキー、ため息ばかりついてると幸せが逃げちゃうわよ?」
そう言って、俺の眉間に手を伸ばしシワを解そうとする。
誰のせいだ、誰の。
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