第44話

「大丈夫ですよ。双子が居るし、お姉ちゃんも何かと気にかけてくれるから」



「そうか。何かあれば言えよ」



「はい。ありがとうございます」




相変わらずのイケオジだ。




あたしの思ったことがわかったのか、ククッと笑う雪代さん。



その表情すらカッコいい。




「シゲさん、奥さん元気?」



「おっ!?おおっ、おっ、おおっ元気だぞっ」



「何動揺してんのさ」




ニッタァと笑うハイド。



わっるい顔してまぁ。




「このっ、ハイドッ!!俺をからかうとはいい度胸だっ」



「アハハッ!からかってなんかないよっ」




ガシッとハイドの首に腕を回したシゲさんがワシャワシャとさっきよりも激しくハイドの頭を撫でる。



普段はクール(という名の呆けているだけ)のハイドだが、大人の前だと子供っぽくなる。




シゲさんはつい最近、若い20代のお嫁さんを貰ったのだ。


しかも妊娠5ヶ月。



百音なんて妹か弟が出来ると喜んで今か今かと赤ちゃんが産まれるのを待っている。




それを優しい表情で見つめていた雪代さんだったけれど。




「で?どうした。急にここに来たいだなんて」




と、八千流を見る。




「あっ、そだそだ!!」




忘れていたのね、八千流。




「あのね、ユッキー。お話があるのっ。あのっ、ひなちゃんには内緒で」




辺りをキョロキョロと見て、ひなちゃんが居ないのを確認してから言う。




「?なんだ、愛の告白か?」



「えぇー、違うよ。八千、好きな人居るもの」



「!!」




あ、バカ。




「……誰だ?」



「あっ!!うん?いや、違う違う間違えた!!」



「言え、言わないと……噛むぞ」



「噛」




次の瞬間……




「にぎゃぁああああっ!!」




雪代さんが八千流の鼻に噛み付いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る