第35話
「痛いんじゃ、この吊り目」
「吊り目じゃないですー。切れ長なんですー」
「吊り目は皆そう言うんですー」
「言いませんー」
周りはこの甥っ子のことを、大人びてカッコいいとか、落ち着いているとか言うけれど。
ガキだからね?
こんなだからね?
「わかった」
ハイドと睨み合ってたら、八千流が言う。
「おん?」
おんって何よ?ハイド。
「何が?」
わかったって何が?
「お姉様?」
「なんだよ?」
榎本さんと三ツ井が首を傾げる。
あ、この表情はお姉ちゃんモードだ。
「ユッキーには八千から言う」
おお。
マジか。
ひなちゃんにバレた時、自分が悪者になると……。
「お姉ちゃん!!」
ハイドが目を輝かせる。
嫌なことを引き受けてくれる時だけ、八千流のことをお姉ちゃんと呼ぶんだ、この男は。
なかなかの悪。
「その代わり、ひなちゃんをしっかり足止めしてよ?」
足掻きを忘れてなかったわ。
「わかってる!任せろ!」
それに満面の笑みで応えるハイド。
「何ちょっと!?」
「ハイドくんがずっと可愛い!!」
「抱きしめたいっ!!」
……周りが煩い。
「しっかし」
止まっていた足を動かしながら、八千流が空を見上げる。
榎本さんを腰に貼り付けたまま。
てか、いつまで付いてくるの?榎本さんは。
「もちろん薬もだけど……八千はあの狐面の少年が気になる」
と言った。
ああ、あの
「「狐面!?」」
「「「うぉっ!?」」」
それに三ツ井と……何故か榎本さんが反応した。
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