第36話

え……?



なんか、1番関係なげな二人が過剰反応したんだが?



八千流とハイドと顔を見合わせる。




「知ってるの?真尋ちゃん」




八千流よ、何故榎本さんに聞く?



三ツ井が微妙な顔をしているぞ。


聞くなら俺だろ!?って顔してる……



こっちを見るな。



視線を逸らすと、ハイドと目が合う。



そして逸らされる。



何故、お前が逸らす?



疚しいことがあるのか?



おおん?




「はい!!知ってますよ!!お姉様!!狐面の少年はこの世界では超有名です!!」




この世界って、どの世界よ??



って、誰もツッコまないんだね。




「一華ちゃん、この世界だって」



「どの世界よ?」



「八千にわかるわけないじゃない。八千、この世界はズブの素人よ?」



「いや、だからどの世界よ?」




そしてもう、ズブの素人って言葉が素人じゃないことを物語ってないか?




「ハイド」



「俺も、この世界とやらには興味がないから知らね」




この双子……。




「「「………」」」




両親がアレなのに、全く興味がないあたし達って。




「だが、"黒豹"は別だ」




ハイドの瞳が鋭く細まる。




「「「……っっ」」」





周りの生徒達は、ハイドの急変についていけず、息を飲む。



空気が冷たくなっていく。




「ハイド」




八千流がハイドを呼ぶ。



その声の柔らかさに場の空気が温度を取り戻す。



ホッとする周り。



榎本さんもカチカチに固まってしまっていた体の力を抜く。




「眉間にシワ寄せちゃって、イイ男が台無しよ?」




フニフニと八千流がハイドの眉間を捏ねくり回す。




「イイ男じゃねぇよ」




苦笑いのハイド。




「あら、八千の弟よ。イイ男に決まってるじゃない。自信を持って胸を張りなさい」




と、八千流の方が胸を張った。

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