第33話

「もし本当に、バックに組がついてるとしたら」



「ユッキーが黙ってないよね」




双子がお互い顔を見合わせ言う。



双子の言うユッキーとは……




「ユッキーって、“あの”工藤組組長、工藤雪代様のことですか!?」



「「お??」」



「え?」



「お姉様とお兄様」



「お兄様!?」




ギョッとするハイド。


俺の妹は百音だけだっ!!なんて吠えてるけど




「の祖父になるんですよね!?」




この子……


あたし達は榎本さんを見る。



そう八千流の言う“ユッキー”とは、工藤雪代さん。


あたしのパパの親友で、初代“黒豹”の副総長。


そして八千流とハイド、百音の祖父。



決して大きくはない。


けれど、力、影響力は絶大を誇る工藤組組長だ。



本来なら、3人の祖父はあたしのパパになるのだが、まぁちょっと複雑で。



でも普通の高校生がポンッと出る名前ではない。



普通は「ユッキーって誰ですか?」と聞いてくると思う。



調べたのか、双子に近づくために。



あたしとハイドは警戒する……も




「良く知ってるね、真尋ちゃん。そう、ユッキーは八千とハイドのお祖父ちゃん。優しい大好きなお祖父ちゃん」




なんの疑いもなく榎本さんの頭を撫でながら、八千流は満面の笑顔で言う。



雪代さんが聞いたら喜ぶだろうな。



あたしには雪代さんの表情の変化はわからないけど。



わかるのはハイネお姉ちゃんと4人の孫たちだけだ。




「はい!八千流お姉様に近付きたくて、調べました!」




こっちもこっちで、あっけらかんと満面の笑顔で言う榎本さん。



二人を見ていると、深く疑って考えた自分がバカみたいで。



ハイドもヤレヤレと苦笑いで二人を見ていた。




もちろん、ハイドの親友である三ツ井は知っている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る