第30話
「なんで噓つくんだよっ」
三ツ井が噛みついてくる。
「なんでって……」
「ねぇ……」
「そんなの……」
「……なんだよっ」
「「「面倒だから」」」
に決まってんじゃん。
「ハァアッ!?」
三ツ井が大きな声を出す。
煩いな、朝から。
顰めっ面になる。
煩いのは八千流だけで十分だ。
「八千、うるさいの!?」
「「うるさい」」
「マジかっ」
「お姉ちゃんはかわいいよ〜」
「百音!!」
同意したあたしとハイドに対し、ニッコリ笑いながら百音が言う。
そんな百音を八千流がムギュッと抱きしめた。
「天使ー」
「行儀が悪い」
「へへんっ。羨ましい……いだだだだだだっ。全力で首を変な方向に曲げようとしないで下さいぃっ」
ハイドが百音から八千流を引き剥がそうと、八千流のホッペをグイグイと押す。
首がゆーっくりと変な方向に向いていく八千流。
そんな三人を見ながら
「百音が居る。朝からそんな話しないで」
低い声で三ツ井に言う。
「っっ」
百音を見て、ハッとする三ツ井。
遅いから。
それからは終始、百音が話すのを聞いて話して、朝ご飯は終了した。
歩いて小学校に行く百音が一番早く家を出る。
あたしと八千流は玄関の外まで見送り、ハイドは集団登校の集合場所まで一緒に行く。
「いってらっしゃい、百音」
「頑張るんだよ」
八千流と二人で頭を撫でると、嬉しそうに百音が笑い
「うん!!」
元気に返事をして、ハイドと手を繋いで歩き出した。
後ろ姿がなんとも可愛い二人である。
「心底、可愛い」
「全部、可愛い」
何度も振り返って手を振ってくる百音に、二人の姿が見えなくなるまで見送った。
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