第28話

はぁ~、可愛い。


なんで、あたしの妹じゃないんだ。


なんで、ママはあたしに妹を作ってくれなかったんだ。




「何やってんだ、お前達」



「お兄ちゃん!!」



「お兄ちゃん」



「弟よっ」



「一華、俺はお前の兄ではない」




真顔で。




「知っとるわ。言ってみただけだわ」




あたしも兄はもういらない。


あのパーフェクトヒューマンだけで十分だ。



両親の良いところを全て、アイツはぶん取って生まれてきたに違いないと常々あたしは思っている。




百音がハイドに満面の笑みで手を伸ばす。



そんな百音を、この上ないほどデレデレの表情で抱き上げるハイド。



そのまま




「朝ご飯が冷める、早く下りてこい」




と言って、1階へと下りていく。



ああ、あたしの癒やしが……。



しかし




「何故、百音がここに?」




あの子も今日は学校でしょ?




「最近ずっと、やち達がこっちに居るから寂しかったみたい。ハイドが朝ご飯取りに行ったら、あたしもこっちで食べるっ!!って」




クスクス笑いながら八千流が言う。



その表情は優しいお姉ちゃんそのものだ。



でも、そうか……。





「申し訳ないな」




あたしの我儘で一人暮らしなんて始めたばっかりに、百音に寂しい思いをさせてたなんて……。



ズンッと落ち込んでしまう。




「フフッ。申し訳ないと思うのなら、今度のお休みは百音とたくさん遊んであげよ」





微笑んだまま、手を差し出してくる八千流の手を取り




「そだね」




頷いて立ち上がった。



途端





来客を告げるチャイムが鳴った。



また来たよ……。




「何故、アイツは毎朝来る……」



「えー、一華ちゃんに会いたいからでしょー?」



「あたしは会いたくない」




仏頂面で言えば、ニンマリと八千流は笑い




「静ちゃん、報われない恋ねー」




なんて言いながら、それでも玄関を開けるために1階へと下りていった。




















恋……ねぇ。



一息ついて、あたしも1階に下りた。




「グッモーニン、俺だけのプリンセス」



「今日は休むわ」




朝から三ツ井の聞かないでもいい言葉と見なくていい笑顔を見て2階に引き返そうとするも




「ズル休みはダメですよ!!」




可愛い百音に、怒られ断念したのだった。

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