第26話
「まっ」
パンッと八千流が手を叩く。
「この件は取り敢えず横に置いて」
「オイ、八千流」
ハイドが低い声で八千流を呼ぶ。
「そんな怖い顔しないの。男前が台無しよ」
「ぬっ」
ハイドの鼻を軽く摘んだ。
「一華ちゃんもね」
「だって……」
“黒豹”のことを横に置いとくなんて……
「今はまだなぁーんにも情報がないのに、あれこれ考えても仕方ないでしょ」
ちょんっと鼻を突かれる。
それはそうなんだけど……。
「一華ちゃんが“黒豹”を何よりも大事にしてるのは知ってる。もちろん八千もハイドもね」
「ああ」
「うん」
「“黒豹”の名が、マークが悪事に使われてるなら容赦はしない」
八千流から表情が消える。
氷のように冷たい瞳。
「けど、本当に今はなにもわからないから」
「うん」
八千流の言う通りだ。
「情報を集める」
ハイドの言葉にニッコリと笑う八千流。
「うん。でっ!!」
「「で??」」
さっきまでの無表情は何処へやら、キラキラと表情を輝かせて顔を近付けてくる。
で?とは?
「あの狐面の小学生は誰!?」
「中学生だってば」
「見えないよね」
ププっと笑う八千流。
アンタ、それで殴られそうになってたのに……。
「アイツ、強いぞ」
1度、拳を受けたハイドだからわかること。
「へぇ、ハイドがそう言うって。強いのね」
まぁ、雑魚といえど自分より背も体重もある男達をアッという間に倒したしな。
「八千とどっちが強い!?」
「まだ、八千流かな」
「フフッ」
あっ、悪そうな笑顔。
まっ、あの子が大きくなるとわからないけどね。
「で?あの狐面は?」
「わからない。急に現れて助けてくれた」
「「「???」」」
あの子の目的は一体……。
“黒豹”のことも知っていた。
「でも、わかることが一つあるわ!!」
「「ん??」」
力を込めて言う八千流。
わかることって……
「あの子、美少年よ!!」
「はい、撤収」
「はい、おやすみー」
「あっ、ちょっと!?」
あたしとハイドは八千流を置いて、ダイニングを出た。
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