第21話

と…とりあえずこのまま向かい合ってても仕方がない。




「「あ」」




……ハモった。




「「どうぞ、どうぞ」」




そちらからどうぞ、と譲るもこれまたハモる。




「「……」」




どういう状況なの、これ?




「「あ」」



「一華ちゃぁあああんっ」




!!


八千流!!




八千流の大きな声がしたかと思ったら、角からヒョッコリと八千流が顔を出した。



涼し気な表情があたしを見つけてパッと明るくなる。




「一華ちゃん!るなちゃん見つけたよー!」



「本当?……って、八千流」




近付いてくる八千流。


その右脇には……





















抱えられるようにしてズリズリと引き摺られる、るなが居た。


頭には1つのタンコブ。



……何があった。



るなは意識はあるようだが、意気消沈。


何も話さず、されるがまま。




「さ、帰ろ……って、ぬぉっ!?」




あたしの側まで来た八千流がようやく気付く。



狐面の少年に。




「小さっっ、うぇいっっ!?」





そう発した瞬間、狐面の少年が八千流に蹴りを放った。




「八千流!!」




ガッ!!




「!!」



「危な」




るなを抱えてない方の腕で、その蹴りを軽々と受け止めた八千流。


ビックリした様子の狐面の少年。


止められるとは思っていなかったらしい。



てかさっき、女のコに手を上げるなとかなんとか言ってなかった?



まっ、八千流は女のコっていうよりは、綺麗なゴリラ?




「綺麗なゴリラ?!」



「シッ!!」



「なっっ」



「オイ」




更に攻撃をしようとした狐面の少年の手を受け止めたのは……


ハイドだった。



走ってきたのか、息が少し切れている。



そんなハイドの切れ長の瞳が冷たく、冷たく狐面の少年を見下ろす。




「うちの姉に何しやがる」



「ハイド!!」




ハイドの登場に八千流の瞳が輝く。




「姉……そうか。アンタ達、真木姉弟か」



「「「……」」」 




狐面の少年は、双子の名字を口にした。



この子……一体。

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