第9話
「はいはい、アンタ達全く同じ顔だから。どっちにま似てるから」
「「同じじゃないっっ」」
クワッと牙をむいてくる二人。
「はいはい」
をテキトーに流す。
「と・に・か・く、百音は俺に似てんだよ」
このシスコン。
ハイドは言うだけ言うと、スタスタと教室に向かった。
いや、ここまで戻ってきたなら助け起こしてやれよ。
「八千に似て可愛いんだけど」
譲らないな、この双子。
ま、でも本当に二人に似て可愛い妹の名前は真木百音。
6歳離れたあたしの姪っ子。
「今11歳でね、元気ハツラツでハツラツ過ぎでよく転ぶんだけど」
「……」
女のコは??顔だ。
それはそうだろう。
何故突然妹の話が出るのか。
「転んだ時に助け起こそうとすると怒るの」
お姉ちゃんの表情で八千流が笑う。
「一人で起き上がれるよ!!って」
うんうん、よく言う。
末っ子で、上二人に甘やかされているのにしっかり自分の足で立てる子なのだ。
八千流の隣で頷くあたし、歩きながら大きく頷くハイド。
「大きな目に涙を溜めて、でもちゃんと一人で立つの。11歳の子が出来て、あなたは出来ないの?一人で立つことも」
「っっ」
煽るねぇ。
案の定、女のコは
「立てますよ!!」
立てない、歩けないと言っていたのに、フンッと両足を踏ん張って立った。
その姿は頼もしかった。
よっこいしょっと、しゃがんでいた八千流が立ち上がる。
「バァさんか」
「ふふ。八千は可愛いバァさんになるよ」
そして八千流は女のコの前に立つと、女のコの頭をポンポンと叩いた。
“ぎゃーっ”なんて周りから悲鳴が上がる。
「良く出来ました。良い子ね」
「えっ!?」
柔らかい笑みでそう言った八千流に、女のコは真っ赤になる。
これは……。
「良い子だから教えてあげる」
「ほへっ!?」
「ハイドを狙ってるなら、ハイドは自立した芯の強い子が好きよ。頑張ってね」
もう一度、女のコの頭をポンッと叩いて八千流がこっちへ来る。
「お姉様……」
なんて声が聞こえてきた。
これは好かれたな。
八千流は顔こそ義兄似だけど、性格はお姉ちゃん似だ。
真性の人誑し。
本人は全くの無自覚で人を誑し込む。
ハイドもだが、ハイドは人見知りだから誑し込む機会が極端に少ない。
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