第2話

昔の夢を見ていたからか、少しボーッとする。



懐かしくて、物悲しいーー。




「……」



「一華ちゃーーーーーーーーーーん?」




……喧しいのが来た。



ドドドドドッ……と大きな足音を立てて2階に上がってきた奴は、ノックもなくあたしの部屋のドアを開けた。




「一華ちゃん起きてる!?朝ですよーっ。……うぉっ!?」




ヒョッコリとドアから顔を覗かせたのは同い年にして姪、そして産まれた時からの幼なじみの真木八千流だった。



あたしが起きてるとは思わなかったのか、目が合うと母親(あたしの姉)譲りの猫瞳を大きく見開いた。




「起きてたの?八千ビックリッ」




そう言いながら部屋に入ってくる八千流。



クセ1つない背中まであるサラサラの黒髪。



形の良いアーモンド型の猫瞳。



ツンと高い鼻にウル艶のピンクの唇。



猫瞳以外は父親似の美少女。




「?一華ちゃん?どした?恐い夢でも見た?」




いやいやアンタ。


あたしのことを聞く前に……




「アンタがどうした。何?そのタンコブタワー」




八千流の頭にはタンコブが3つタワーのように出来ていた。




「ああコレ?起きなかったらハイドにやられた」



「情け容赦ないな、ハイド」



「ね。あの子、手加減ってのをママのお腹に置いてきたんだと思う」




プンプン怒る八千流。



ハイドとは、八千流の一卵性双生児の弟である。




「どうせまた、いらない一言でも言ったんでしょーよ」




ハイドは理由なく手は出さない。




「酷い、一華ちゃん!八千はただ後五時間後に起こしてって言っただけなのにっ」




ジト目で八千流を見る。



それは怒られても仕方がない。



八千流が姉なのだが、どう見てもハイドの方が兄に見える。




「着替えるから出てて」



「やだ一華ちゃん。着替えなら八千が手伝って……ぎゃんっ!」




手を伸ばして脱がそうとするから、タンコブタワーにまた1つタンコブを作ってやる。



頭突きで。




悶絶した八千流は……




「うわぁああっ。一華ちゃんの寝坊助ー!」




と叫びながら1階へと下りていった。




「八千、うるさい。近所迷惑」




居たのか、ハイド。



って、この双子はケンカしながらもいつも一緒だ。

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