第6話

「お兄さんって年じゃないから」



笑いながらそう言うお兄さんはどう見ても20代だと思う。年齢を聞くと、



「32」



…………思ったより上だった。


でもおじさんってこともない。



「20代に見えました」


「そりゃどうも、って喜んでいいのかこれ」



苦笑されて、首を傾ける。

若く見えるにこしたことないと思うけど。

でも若く見えるとなめられたりするのかもしれない。自分自身職場では若者扱いされてやらなくてもいい雑用を押し付けられることも多い。



「なんのバイトしてんの?」



そう聞かれて、なんとなく答えるのをためらった。



「言えない感じの仕事?」


「いや、コンビニとか」


「なんだ普通じゃん」

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