第5話
こんなに小汚い大学生もそうそういないんじゃないか。夜勤と日勤で、化粧もしてないし服だって適当。スニーカーも汚い。どう見ても女子大生には見えないだろう。
「いや、働いてるんで」
「若いのに?」
「フリーターなんで」
「いくつ?」
すごい突っ込んでくるな。
「19」
「未成年じゃねえか」
おいこら、と笑われてつられて笑ってしまった。
この人はいくつくらいなんだろう。
ちゃんと働いている大人、って感じ。
「お兄さんは、」
「ぶはっ」
いくつ?と聞く前に、煙草の煙をむせたように吐き出された。
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