第2話
首に噛みつく相手のくちびるがカサついた感触を残したまま上っていき、耳に舌を突っ込まれる。思わず両腕を男の首にまわしてしがみつくと、「そのまんま腕まわしてな」と髪を撫でられた。
「…………あっ、」
体の中に感じる鮮明な熱に思わず喘ぐ。
そのたび動きが大きくなり、今度は意識を落とす暇もない。
だんだん腕の動きが抜けて、「や」と小さく声を漏らすがもう相手は笑ったり喋ったりする様子はなく、ただ夢中で熱を貪っていた。
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地元の駅から少し離れた、バイト先の最寄り駅。
コンビニの深夜バイトから、スーパーのレジのバイトを終えて、ようやく駅ビルのなかの喫煙所で一服していた。
どうしようもなく眠い。
頭も脚も痛い。
夕暮れが終わろうとするなかで、妙に苛々した感覚のなか肺に留めていた煙を細く吐き出した。
苛々したとき煙草を吸うのは癖だ。
ぼんやりと目の前の花壇を見つめていると、灰皿の近くに男が来た。
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