第50話
「……邪魔じゃねえ?」
その言葉に蛍が不思議そうに首を傾ける。そのとき、さらさらと零れるように髪が落ちた。
「助かるよ」
▽
「それはもはや同棲では」
「違うだろ。落ち着け」
晴れの日の体育はきつい。昼前になんで体育なんだよしね。こんなくそな時間割作った教師はグラウンド40周すべきと思いながら、水飲んできますと教師に声をかけて、もれなくサボった。
20分くらいたったら戻ろうと考えていると、なぜかいつも俺に構ってくるやつもついて来る。聞かれたので、昨夜からの顛末を友人に話すと、あんぐりと口をあけてからそう言った。
「え? え? こんなご時世に若い男女が二人……ワンルームのひとつ屋根の下? どんなえろびだそれは」
「キョウダイだし」
「義理だろ!? しかもおばちゃんならともかく、うら若き大学生のおねえさんだよ!!」
「……おれは中学生だけどな」
「真っ盛りだよ!! おまえ大丈夫なのそれ」
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