第50話

「……邪魔じゃねえ?」



その言葉に蛍が不思議そうに首を傾ける。そのとき、さらさらと零れるように髪が落ちた。



「助かるよ」











「それはもはや同棲では」


「違うだろ。落ち着け」



晴れの日の体育はきつい。昼前になんで体育なんだよしね。こんなくそな時間割作った教師はグラウンド40周すべきと思いながら、水飲んできますと教師に声をかけて、もれなくサボった。


20分くらいたったら戻ろうと考えていると、なぜかいつも俺に構ってくるやつもついて来る。聞かれたので、昨夜からの顛末を友人に話すと、あんぐりと口をあけてからそう言った。




「え? え? こんなご時世に若い男女が二人……ワンルームのひとつ屋根の下? どんなえろびだそれは」


「キョウダイだし」


「義理だろ!? しかもおばちゃんならともかく、うら若き大学生のおねえさんだよ!!」


「……おれは中学生だけどな」


「真っ盛りだよ!! おまえ大丈夫なのそれ」

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