第32話
まずいだろ。と言う兄に目を見開く。
そんなことを言われるとは想像していなかった。
「………でも、まだ眞夏がここに来る理由っていうのが、お父さんのことって決まったわけじゃないし」
「まあ、それもそうだけど」
「けど?」
けど何だ。
「理由が何にせよ、年頃の男女が頻繁に一つ屋根の下ってのはまずいって」
「…………」
年頃の男女?
誰のことを言ってるんだろう、と突然訪ねてきた兄の顔を思わずまじまじと見つめてしまった。もしかして、もしかしなくとも、私と眞夏のことを言っているのだろうか。
「おにいちゃん」
「うん?」
「……私と眞夏、21と14だよ」
「ありえるだろ」
「ありえないよ」
言い切る兄に閉口する。
「ありえるって!芸能人とかだと珍しくないじゃん年の差カップル」
「芸能人じゃないし……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます