3-7 買い出しへ

 本来なら異世界初日を終え、翌日に進み王様やガリレオさんのお兄さんや、女神三柱のお礼の品を日本に戻りチョイス予定だったが、諸事情により未だに異世界初日は過ぎてはないがもうだいぶ日が落ち夜には成る所だった。

 

 そして助けた人達を治療したり、誘拐の状態で異世界に落ちて来た竹井さんと諏訪さんの話を聞くと、私の居た日本ではないと分かるが二人揃って、お互い違う世界線の日本と理解はしたが……………。


「私の居た、昭和甲府市は実在しますよ」

「私だって、絶対瀬戸内海のかもめ諸島は在るわよ!」

「・・・・・・聞いた事無いな、昭和甲府は高速インターには在るが、山梨県の甲府市だし昭和は付かないな」


 何故か納得しない諏訪さん、何かを諦めたらしき竹井さん。


「昭和甲府は実在しますよね?」

「だから、高速道路のインターしか知らんよ、甲府市は甲府市だよ」


 一回二人を私が居た、日本に行かないと成らないな、それに生活必需品は二人が必要なのを買わせないとね、私がデリカシー無く買うとなんか更に変態扱いされそうな気がするし、撫子が裁縫で作る手も在るが個人の服装の傾向も分からないし、色々話し合い諏訪湖周辺の車の往来の少ないとうげから、仕方ないから店が開いてる時間に間に合わせ買い物をする事にした。


 因みにショッピングで買ったマイカーは、地球仕様のハイブリッド車のままにして一部ガソリン積載量を、増やした仕様にして二人とついでにガリレオさんにはイギリス紳士変身バージョンと、若い姿だし分身と同じとは若い姿では平気な気がするので変身せずに、諏訪地域の山奥から車で出発して、諏訪市で二人の衣服を買い物しながら二人が必要な日用雑貨も買いつつ、冬の短い日が暮れる諏訪を不思議そうに見る三人。


 諏訪には間欠泉に公衆浴場や、市が運営する公衆浴場や民間のホテルに在る温泉が点在する、間欠泉は今や湯気しか見えないまでに、温泉の源泉の水圧や流れが変わったがそれは、たぶんフオッサマグナの地殻変動による物か、それとも近年の地震の影響かは未だに不明だ。


 諏訪湖周辺は、味噌や酒蔵が多く長野県の味噌の多くは、伊那地域と諏訪地域と北信地域等、色々長野県の味噌会社は多く在るが有名なメーカーも在る。

 日本酒は特に多く、諏訪地域が一番集中して蔵が在るが他にも長野県内には、酒蔵街道と銘打ちキャンペーンをしてた地域も有ったりする。


 近年長野県は、山梨に負けじとワインセラーが増えてるが、特に松本盆地で葡萄作りが昔より活発だ、長野県産のリンゴ新品種も増えるがそれを使い、色々なジャムや料理も生まれてる。


 今は閉店した、塩尻市と岡谷市の間に在った食堂の山賊焼は、信州リンゴを隠し味に使ったボリューミーな大きさの、ニンニクのパンチが良いアクセントの山賊焼は今や幻に成った、継ぐ希望者は居たがレシピは作って無いし、おばちゃんの加減次第だったりと、年齢等色々あり店は閉店してたりする。


 因みに山賊焼発祥の店は、塩尻市と松本市近くの村井地域に在り、今も人気のメニューであるが、山賊焼に使う鶏肉は鶏むね肉派と、鶏モモ肉派に分かれてるとか無いとか。


 二人に付き合い必要な買い物をし、インベントリはこっちでも使えるが不審な事は出来ないので、車に戻るまでは荷物をインベントリに入れるのは避けた、因みに財布は何故か分身の財布と共用らしく、数万入れてたが分身が食料品買って使ったらしき減り。


 車に戻りインベントリから取り出して、二人に買い物資金追加を渡してガリレオさんも欲しい物を買わせた、一応ガリレオさんには条件を付けたが。

 買ったのを自分で壊した場合、自己責任で処分や買い物中の事故による弁償も自己責任でと、釘を刺してある。


 二人がカート押し、日用品を買いに行った背後に私は鮮魚コーナーに行き、値引きは無いが刺し身と寿司を入れついでに、スーパーに売ってる日本のお菓子を時風女神用に買う。


 時見女神様と時波女神様のは、諏訪インター近くの洋菓子店二か所で買う予定、あとガリレオさんが刺し身のパックを手に、ガタガタと震えて居た…………何か未知に出会った、外国人にしか見えんな…………他の客がガリレオさんを微笑ましく見てたり、何か珍しい者を見る顔をしたおばちゃんが居たりしてる。


 ガリレオさんが水槽を見たら、更に驚くだろうな……………まあ驚いて水槽の中に手を入れそうに成った所で、頭を叩いて引き摺って店から連れ出したけど、何とも恥ずかしい思いをしたので、ガリレオさんには次回のスーパー入店を出禁にした。


「何故だ!? シロウ」

「非常識をしたからだよ、馬鹿ガリレオさん!」

「・・・・・非常識ですよ」

「・・・・・普通に非常識です」

「二人の少女にも言われるとは……………」


 何故か諏訪さんと、竹井さんに言われたのが一番ショックだったらしいて、ちょい待てぇ~いガリレオ…………後でお仕置だ。


 この日は一旦帰り、翌日朝から買い物再開し昼前に諏訪湖周辺の鰻屋に寄り、三人に鰻を食べて来る様に促して三人は、天竜川の近くに在る人気の鰻屋に入って行ったが、この店は安くて美味しく外まで蒲焼きの香りが漂う店だ。


 三人が鰻を食べてるその間に、私は近くのラーメン屋に行き一人ラーメンを堪能し、迎えに行く前にコンビニスイーツをガリレオさんを抜いた全種類を数で買い、ガリレオさんには紅茶とコーヒーを買っといた、まだ寒いが冷え冷えの紅茶とコーヒーをね。


 二人は分からないので、ホットのミルクティーやお茶を買っといた、鰻屋の駐車場に戻ると満腹三人がのそのそとゆっくり歩きながら、車に向かいゆっくり歩き乗車した。


「・・・・・食べ過ぎた……………」


 ガリレオは思わず、三杯鰻重をお代わりしてたのだ。


「次回いつ頃食べれるか分からないから、食べ過ぎちゃった」


 諏訪伊織は、お茶目に言いながら鰻丼と鰻重を食べ過ぎていた。


「奢りと思うとつい………………」


 竹井悠姫は鰻重特上と特特重を食べ、一番豪華な値段を食べてるのだった。


 最後の竹井さんのセリフは、私は聞かなかった事にしゆっくり発進しながら、途中諏訪地域で安いスタンドで給油して、諏訪大社に寄り観光し更に昨日寄る予定の洋菓子店に寄り、更に国道沿いの卵菓子の店にも寄ると、何故かガリレオさんが諏訪さんと共に、店自慢のオムライスを食べてたが、私と竹井さんは呆れながら二人が食い終わるのを待った、ちゃんと買い物はしたよ。


 二人が食べ終わると、次は国道を東京方面に向け走り途中山梨県のチーズケーキの店や、富士見のジャグジー温泉が在る道の駅に寄ったりした、春には桜が満開が綺麗な道の駅だ。


「温泉最高!」

「もう動けない、少し寝たい」


 二人が温泉を出て伸びてる頃、私はゆっくり寛ぎガリレオさんはジャグジーにハマリ、ふらふらに成るまで温泉のジャグジーを堪能した、異世界にも温泉は在ると思うから、その内探しに行こう…………やはりとんでも技術よりも、安らぐ温泉が一番だよね。


「シロウ、温泉とは素晴らしいな」

「そうかい、ガリレオさん」

「・・・・・何故かシロウが素っ気ない」


 ガリレオさんに素っ気ない訳ではない、さっきの満腹と言って一時間もしない内に、オムライス食ってる諏訪さんとガリレオさんに呆れてるだけだ。

 風呂休憩をし、寒い外に出て暖かい暖房を平均にし全員乗って、小淵沢インターから昭和甲府インターに向け走り、最初は元気だった三人は途中で黙り睡魔により静かに成った。


 途中昭和甲府インター前の、双葉サービスエリアでトイレ休憩して、某山梨県アニメグッズを買い、何故か興味津々の諏訪さんも買い女の子達が、山梨県とかをキャンプ休日旅のマンガネタに興味津々だった。


 意外にこの子、アニメ好きかも知れないので、後で布教しとこう………女子高生達と犬がキャンプする、休日ワンコ旅キャンを。

 諏訪さんとグッズを買い漁り、そしてイートインスペースに行けば、またガリレオさんが魚の唐揚げを食べてたりする、何故かお土産用のお菓子を開け信玄餅を食べてる竹井さん、私は深いため息をしが食べ終わるのを待った、グッズお土産のチョコ美味しいかい? 諏訪さん。


 そして再び双葉サービスエリアから出発し、昭和甲府インターを降りると諏訪さんのテンションが落ちる、やはり諏訪さんが知る昭和甲府市とこの甲府市の昭和甲府インター付近は、全く違うらしい。


 しかも通ってた学校は無く、知った場所は警察学校や航空学校と、諏訪さんが知らない建物に成ってたりする、まあ私は仕事上この辺りに配達上来るので、それなりに知ってる。


 長野県の富士見が源流の一つの、山梨県釜無川は諏訪さんの居た世界にも有ったらしい、信玄堤も向こうに在るらしいし甲府市が昭和甲府市と市名が違い、近年出来たアルプス市以外は白根も地名に在るらしい。


「私…………家に帰れないのかな?」


 悲しげに言う諏訪さん、そして近くで同じく泣く竹井さん。


「私だって、夢の為に地元に帰りたいよ……………」


 因みに竹井さんに、日本地図を見せたが全く現代日本より科学が遅れ、防衛ジェット機はイギリスと共同開発したけど、新幹線はゼロ系から二世代位しか進歩してないらしいし、まだ新幹線路線の北陸や九州の開通は無いらしい。


 何故か北海道新幹線は開通してるらしいが、ナンデヤネン!


「・・・・・帰りましょう、猫街さん……………」


 こうして買い物を済ませ、異世界に戻って来たが一応交通量のほぼ無い場所に、マーカーをし次回行ける時にそこからスタートも可能にした、ついでに近くでスーツを新調したが、前よりサイズダウンして早く仕立が終わった、リクルートスーツは一応、王様に謁見用に新調した。


 翌日異世界三日目の昼頃、時風女神さんをガリレオさんに呼び出して貰い、店舗予定の場所で更に時風女神さんに姉妹女神様を呼び出して貰った、まあ師匠でも可能かも知れないが、二人が帰れるかは管理する時風女神さんと、その保護者の時波さんや時見さんに掛かる。


「・・・・・無理だと思いうよ、二人揃って元居た世界情報が無いよ」


 竹井さんと諏訪さんの話をし、時見さんに聞くとそう返事が返って来た。


「普通は微かでも、余程の理不尽や悪しき不浄なエネルギーに晒されないと、こんな事には成らないですね、時見お姉さま」

「うん、そうだね……………」

「時見ちゃん、少しは真面目に答えた方が、良いと思いますよ」

「「「「!?」」」」


 三柱の姉妹は、突然現れた桜ちゃんに驚いて居た。


「何か不浄な気配が、白鯨の下からしてましたよ、史郎がルドルーラ様達に鍛えられてる時からずっと」


 それって移動してから、ずっとその不浄な気配が白鯨下にあった様だ、あと桜ちゃんは三柱の姉妹女神の上位体であるが、何故か時波さんと変わらない見た目なのは、何故だろうか?


「気にしてはダメよ…………史郎?」

「桜ちゃん、最後に疑問符やめて」


 完全に帰れない二人に、桜ちゃんはこの世界で生きられるスキルと、寿命のGiftを授けたが………………。


「何にも変わらないね」

「私も……………」


 後に二人は知る、殺されない限り寿命で老いて死なない肉体を得た事を、しかも後に此が二人の将来に色々影響を及ぼす、それは史郎絡みの事案に結び付いてたりする。


「さてと時見さんには、この前のスキル等のお礼です」

「有り難う、史郎」


 大喜びで特大のスマイルをするが、史郎は全く動じない。


 時見さんには諏訪で買った、洋菓子詰め合わせと卵菓子やプリンを。


「時波さんには、此方を」

「有り難う史郎さん」


 時波は心ルンルンに受け取り、少しスキップ気味に時見の方へ向かう。


 時波さんには、イチゴ系のお菓子とケーキを、他にもアップルパイも入ってるよ。


「時風女神さんは、ハイ」

「有り難うシロウ……………?」


 何故か時風には、無表情で渡す史郎だった。


 時風女神さんには、スーパーの安売りブランドお菓子の袋摘めを渡した、量的には姉達より多いが値段的には一番コストが安い、一点一点の値段がね。


「桜ちゃんには、テイクアウト鰻」

「わぁーい!」


 桜を貰った感謝を込め、史郎は桜にテイクアウトの鰻弁当を渡した。


 桜ちゃんにテイクアウトの、鰻弁当を渡すと目の色を変える集団。


「・・・・・・え"!?」

「・・・・・・・え"!?」

「・・・・・・・・え"!?」

「・・・・・ナニ!?」

「・・・・・・テイクアウト!?」

「・・・・・・私知らなかった!」


 私は桜ちゃん以外見なかった事にし、ガリレオさんにはお兄さんを連れて来て貰い、温め直した海老天とアジフライをおもてなしした。


「兄上だけズルい!」

「お礼は必要だ、次は王様に謁見の手配お願いね、ガリレオさん」

「人扱いが酷いぞ、シロウ!」

「美味いな、此は…………………」


 気に入ってくれた様だ、そして王様の謁見は翌日面会かと思えば、その日の夕方に呼ばれ何故か時風女神さんまで来た、そしてデカイ城は何か緊張するが城の中には、亜人の猫人や普通の人間の金髪貴族や人間の騎士にケット・シーの白騎士等、結構種族関係なしに城で働いてるらしく料理長に至っては、ケット・シーの料理長と人間の料理長の二人の料理長は、得意分野が違い生魚等を扱う料理は、ケット・シーの料理長で焼き等の料理は人間の料理長らしい、そして金毛茶トラの如何にも王の威圧感を放つ、身長二メートルを軽く越える巨体の、リーゼントか髪型の王は目をランランにして玉座に座り待つ。


 私はうやうやしく一礼し、ガリレオさんの隣で膝を付きお礼を申し上げる。


「この度は、異世界にお招き頂き有り難うございます、キャスバル国王様」

「良い、そんなに畏まる事はない、私の我が儘で呼んだまでだ」


 声が某大御所声優に似てる、キャスバル国王。

 だがキャスバル国王の言葉に、頷き言葉を放つ大臣。


「その通りですな」

「まったくですな、何時も我が儘で我等が大変です」


 近くでさらりと、キャスバル王に文句を言う家臣二人と。


「本当に、我が儘な夫で困りますわ」


 何やら怖い気配が増大する、キャスバル王の左隣に座る茶トラの王妃様。


「・・・・・・それでだ、今日は他に私に献上の品があると、大賢者ガリレオから聞いておるぞ」

「言わせたのは、王であろうに……………」


 何か毒を吐くガリレオさん、何か王様に少し思う事があるみたいだ。


うるさいぞ、大賢者ガリレオよ」


 ガリレオさんには、物申すキャスバル王様だった。

 私はキャスバル国王に、プレゼンを開始した…………プレゼンと言えるかは怪しいが。


「今日は我が国の、魚を切った料理の刺し身と寿司をお持ちしました」

「うむ、サシミとスシか…………初めて聞く料理だ」


 いそいそとテーブルを用意され、そこに普通ならパックから出して皿に盛り付けてたりするが、毒味が必要らしいがガリレオさんは信用されてないてより、王様の前に食い尽くす可能性を見越してか、二人の料理長が先ずパックの中身の寿司や刺し身を、刺し身醤油に付け食べる。


「・・・・・・おぉ~!?」

「美味いですな、ルクス殿」

「海洋魚類の生とは、カルパッチョの様ですな…………酸味は少ないですが、甘い旨味が口に広がる不思議……」


 まあルクスと呼ばれた、ケット・シーの料理長は唸りながら大トロをもう一つフォークに刺し食べる。


「王には勿体ないな」

「確かに……………美味いですな」

「・・・・・待て、今聞き捨てならん事をルクスよ、私に言わなかったか?」


 ルクス料理長はシラを切りながら、キャスバル王に言う。


「さて何の事ですかな?」

「確かに、王には勿体ないな」

「確かに」

「お前ら、私が食う前に全部食うでないわぁー!!」


 こうしてキャスバル王は、刺し身を食い尽くされツマを食いながらボヤいたのだった。


「私の楽しみがぁ~」

「このトロのスシとやら、美味しいわ」

「流石王妃様、味がお分かりですね………王と違い」

「我輩まだ食べて無いが、鰻と言う食べ物はあの不味いウナギとは違い、素晴らしい料理でしたぞ」

「それは食したいですな、大賢者ガリレオ様」

「私も食べたい、ねえキャスバルちゃん」

「女神様、私を子供扱いした言い方は止めて頂きたい」


 何かカオス化してるが、一応他の刺し身を渡してお願いを聞いて貰った。


「ウム、確かに調査には時間が必要だな、ある程度我が国で料理の幅を広げるのと同時に、我が国は科学も遅れてる…………運搬は主に陸路は馬車だが、今は工業大国のニュークロイツ国に技術革命よりも、我が国は相当遅れておる」


 工業大国のニュークロイツは、元このルーウエルド大陸を支配してたルクルド帝国の中心だった国、今は滅びたルクルド帝国だが大昔は繁栄された帝国だったらしい、まあローマ帝国レベルに近い帝国だったけど、モンスターの異常発生に対応出来ずに求心力を落とし、国が空中分解した帝国らしい。


 因みに、ウィールデンの在った場所帝国とは、まったく関係は無い訳ではないらしいが、滅びた経緯はまったく違うらしい。


「向こうは近年、トラック輸送に加え魔法石による蒸気機関の輸送を開発したと聞く」


 私は思った、まだ蒸気機関文明未満なんだなと、時風女神さんを見ながら思ったら。


「この世界、私が創造した惑星の中で一番産業化が遅いのよね…………」


 何故かそれを聞いて、全員黙ってしまった……………。


「普通なら七千年も時間が有れば、飛空艇より高速の飛行艇や音速列車が走っても良い位よ」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

「シロウの車は、乗り心地良かったぞ」


 余計な事を言うな、ガリレオさんよ。

 何故か私を一斉に期待の目で見るが、私に技術職の才は無いよ…………造る機能なら白鯨に在るけど。


「さてと、用事も終わったし帰るか」

「待て、技術提供も含まれてる筈だ!」

「頼みます、渡した白金貨以上の成果を出して下さい」


 何か泣きつかれたが、白金貨なんて貰ってないよ?


「? 白金貨なんて、私は貰ってませんよ」

「・・・・・ガリレオよ」

「大賢者殿」

「ガリレオちゃん」

「大賢者ガリレオよ…………」

「我輩使ってないよ、本当だよ!」


 ガリレオさんはこの後、キャスバル王に貰った白金貨を返し事なきを得た。

 一応鱚の天ぷらやパン粉を使う、海老天やアジフライに普通の野菜天ぷらを料理長に教えて、塩だけの味付けだけどね…………天つゆまで教える義理はない、ソースはあるからアジフライは何とか成るだろう。


 何故か王様に謁見し、仕事が増えたのは誤算であり私はその増えた仕事は、当分放置の方向で居る事にした、ガリレオさんにもその方向で居て貰う、余計な仕事は増やさないよ私は今は。


 私は一応、ウィールデンの全ての飲食店のニーズを調べると、先ずはパンはライ麦パン等の硬いパンや発酵の酸味の強いパンが主で、ヨーロッパのパン文化と変わらないパンだが甘いパンは基本余り無いらしい。


「甘いパン? そんなのある筈がないぞシロウ」

「え"!?」

「え"!?」


 信じらんないと、竹井さんと諏訪さんがガリレオさんを見る。


「チョココロネ無いの!」

「チョココロネ?」


 今度は不思議な顔をする、竹井さんはあんパン以外甘いパンを知らないらしい、何故か私達の日本史は何処かで一緒であり何処か違いいびつだ。


「チョココロネは、美味しいよね特に生クリームとチョコのミックスとか」

「え"!?」

「え"!?」


 おやぁ~諏訪さんに通じないよ、まあチョコと生クリームのミックスコロネは、あったり無かったりだしな。


「あと生クリームのコッペパンとか」

「揚げパンも美味しいよね」

「揚げパンか、給食に出たね…………きなこ味」

「私はココア味だったな」

「ココア味?」


 何か竹井さんの反応が面白い、なのでコンビニスイーツをインベントリから出して、二人に渡すと何故か諏訪さんは普通に開け食べ、竹井さんは初めて見る不思議なロールケーキを凝視をしてた、私は飲み物にインベントリに入れたままだった、ミルクティーを出して二人に渡す。

 ガリレオさんには冷え冷えのコーヒーを渡した。


「何で我輩だけ、冷たいコーヒー何だシロウ?」

「ガリレオさんだからさ…………ふっ」


 さてパンは日本式の菓子パンが、たぶん受けが良いかも知れないし、名古屋名物のモーニングも受ける可能性が高い、だが朝は客が入るか分からないリスクがあるがやってみる価値はある。


 だがパン職人にが居ない、基本ウィールデンのパン職人は今の腕に満足し、硬いパンや栄養価の高いパンを中心に考える傾向が強い、此方も硬いパンを食べるのはヨーロッパと同じ唾液量が関係するみたいだ。


 一応バケットを、スープに付け食べたりしたりするが、たまに他の食べ方をする国も在るにはあるらしい。


「喫茶店なら、パフェは必須だよね」

「パフェ!?」

「なにそれ食べてみたい」

「シロウ、パフェとは何だ?」


 ガリレオさんは放置し、コンビニスイーツのパフェを出した、コンビニスイーツは便利だよね…………甘党には。


「此がパフェ!?」

「小さいパフェ、此は興味深いね…………」

「我輩にもくれ、シロウ」

「・・・・・さてと、久々に食うか…………」

「シロウ酷いぞ!!」


 甘過ぎずクリームもコンビニクオリティー、生クリームではないから仕方ないには仕方ない、コンビニはフルーツ部分はジュレゼリーとかだが、喫茶店とかはコーンフレークやチョコソースに、アイスやバナナにイチゴや生クリームが、主に使われてたりする。


「他はチーズスフレは、動画で勉強すれば何とか成る」

「ゴクリ」

「ゴクリ」

「シロウ、無視をするなぁ~!」


 更にガリレオさんを無視し、他の可能性も考える。


「喫茶店以外なら…………」

「焼肉屋?」


 主に竹井が今食べたいからだ。


「食堂?」


 諏訪は近所の食堂を思い出し、言っただけである。


「カフェレストランだろう?」


 カフェは喫茶店と変わらんよ、コーヒー提供がだけど日本のカフェは、パフェとかケーキとか提供してるけど、あと高い料金のレストランは目指してないよ、ガリレオさん。


「食堂は在りかも知れないな、たまにカレーの日やラーメンの日とか良いかも」

「異世界でカレー!」

「カレーは良いよね」

「カレー? 珍しくないな、ブリーデン王国に行けば食べれるぞ」


 ブリーデン王国て何処だよ、まあ日本のカレーはイギリスから渡って来たカレーが始まりだからな、そこから海軍カレーから一般のカレーに変わり今や、日本の家庭料理代表だ。


「カツカレーとか最高だな」

「だからシロウ、我輩の質問に答えろぉ~!!」


 答える気はない、何時か食う日を待て次回。


「次回にしないで、答えてぇ~」


 血管が切れそうな程、ガリレオは叫ぶのだった。



 ・ブリーデン王国


 ブリーデン王国は、地球ではイギリスに当たる国で、王都ロルドンはたまに怪盗が現れ、話題に事欠かない国であり貴族社会では、ノブリス・オブリージュの精神を尊重される。

 騎士道は厳しく徹底されており、競馬は貴族の嗜みの一つであり国民が熱狂する賭けの一つである。


 サッカーも人気が高いが、競馬は隣国のアルスランド国と競い合ってるが、それに巻き込まれてるルーウエルド大陸の祭典三冠馬決定戦の地、自由連邦フランタリアにしたらいい迷惑でしかない。


 そして、フリージアの出身国である。


 

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