第2話 ダンジョンマスター
て事で二人で家の中を探して見つけたのがこの目の前にある【ダンジョンコア】だった訳だ。
あった場所は元々物置にしてた場所に新たに出来てた謎の地下への入り口。
その先にダンジョンコアがある地下室がある感じだ。
……今は亡き両親からはこんな地下室があるなんて聞いた事も無いし、置いてある物もダンジョンコアだけで他には何も無い。
ただ、これを見つけれた事で電波やネット回線が一切使えなくなった理由が判明したのだ。
「はぁ、確かダンジョン内だと特殊な回線じゃないとネットに繋がらないんだったっけ? そりゃ普通の回線じゃ繋がらないよな」
「どうする? おにぃ。確かあの回線って機材とか色々必要で高くなかった?」
「結構高かった気がする……学生の俺らじゃ無理だな」
「だよねぇ。でもこのダンジョンは破壊出来ないしね。どうしよう?」
明らかに俺達兄妹の家がダンジョン化してるは確定だし、だからと言って壊す事も引っ越す事も出来そうにない。
何故こうも縛られてるのかと言うと——
◇◇◇◇◇
【日向ダンジョン】
ダンジョンマスター:日向夕陽・日向陽毬
マスター強化値:1
ダンジョンレベル:0 危険度:G
ダンジョンポイント(DP):5000
ダンジョン階層:2
モンスター数:0
魔瘴域:0
侵入者最高突破階層:0
◇◇◇◇◇
これはこのダンジョンコアに入った時にスッと俺達の前に表示された半透明のウィンドウであり、多分だけどこのダンジョンの【ステータス】を表す物だと思う。
そしてこれに表示されてる通り……俺達兄妹はダンジョンマスターになってしまったらしい。
ついでに言うなら俺達の家もダンジョンの範囲に入ってしまったらしい。回線が使えないのもそうだけど、ダンジョン詳細とかを見てみると家がダンジョンと同化してるのが確認出来る。
ちなみに家が第一階層。このダンジョンコアが第二階層となってるらしい。階層が非常に少ないのはこのダンジョンが生まれたばかりだから……だと思う。
「とりあえずダンジョンについて確認しないとな」
「えっと……『ダンジョンマスターはダンジョンと運命共同体です。ダンジョンを支えているダンジョンコアを破壊された場合、ダンジョンマスターは破壊された瞬間に死亡してしまいます。
しかし、ダンジョンコアが生きている間はダンジョンマスターは多大な恩恵を受けることができ、ダンジョンマスターが死亡してしまったとしても、一定時間後にダンジョンコアルームにて蘇生が可能となってます』だって。
おにぃ……私達、これ壊されると死んじゃうってさ」
「回線とか繋がらなくなった代物なのにこれを守らないとかマジ……? せめてこのダンジョンの事を隠せ通せれると良いんだけどなぁ……」
「無理、だと思うよ。あのクソジジイが毎月来るし」
「だよなぁ。はぁ……気が重い」
クソジジイ——親戚のおじさんなんだが、中々に性格が終わってて俺達兄妹は嫌っている。
そんなクソジジイはついこの前来たから暫くは来ないだろうけども、一ヶ月が経つか経たないかぐらいの頃にまた来てしまうし、その時になったらダンジョンの事もバレてしまうだろう。
……俺達はまだ生きていたいし、ダンジョンについては隠しておきたい。
「と言うかそれ以前にこれ、維持費とかもあるっぽいよ。ちょっとヤバいかも」
「維持費は……毎日100DP? んで維持費が無かったらダンジョンが動かなくなって、俺達も身体動かせないのか……早急にDPを稼がないとって言われてもどうしろってんだ」
いや、DPを稼ぐ方法は分かってる。
このダンジョンステータスは結構親切らしく、ゲームのヒント機能みたいなのが付いてるのだ。しかも検索機能付き。
ただ、DPを稼ぐ方法が分かったとは言え——
「下手したら俺達死ぬな、これ」
「どうやって他の人から魔力を吸えば良いのって話だよね……ダンジョンを公開するにしても命が危ないし、そもそも家に他人を招きたく無いし」
「だよな……それは同意見だなぁ」
DPの稼ぐ方法っていうのは【人間の魔力をダンジョンの力で吸う事】であり、俺達以外の人がダンジョンに入らないといけないのだ。
つまりは他人をこの家に招かないといけない訳で……
「友達とか……呼んでみる?」
「いや、確かダンジョンって一般人が入ったら気分が悪くなるとか言われてなかったっけ?」
「あー、そっか。そう言えばニュースで見たことがあるや。
そう言えばネットも繋がらないしね……ゲームとかもオフラインじゃないと出来ないかもだし」
「となるとやっぱり——」
「うん、これをするしかないかな」
ダンジョンステータスの所から飛んで別のウィンドウにある項目……【ダンジョン編集】
DPを使う事によってダンジョンの編集が可能になり、階層の追加とかモンスターの追加とかが出来るらしい。
これを使ってダンジョンを拡張して人を誘致し、魔力を吸えって言う事だろう。だけどもこの方法も……
「やっぱ危険、だよな」
「なんとかしてここまで来れない様にするしかないけど……どうする?」
「まず……このダンジョンコアを移動させるか」
手始めにダンジョン編集の操作の一つにあるダンジョンコアの移動を操作するのだった。
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