第2話 おんな友達
京都駅からバスで祇園まで来たなおみは、先程、電話をかけてくれたルミの電話がちょっと気になっていた。
どことなく、後味の悪さが残っている。
一方的にルミから、喋りまくられる事。
観光があるから、と、自ら電話を切ったこと。
そして、、
ルミの、あの話の続きは、何なんだろう?
と、ルミという、人物に興味がある事に、何故かしんどさを感じていた。
せっかくの京都の風情を楽しまなきゃ損 ‼️
そう切り替え、計画どうり、祇園を練り歩いていると、早速、和服姿の美しい女性達に出くわした。
この情緒ある街は、日本を誇れる❢
風景だけでなく、伝統を重んじる街並みや、そこに根付く人達の息遣いをフルに感じれる場所だ。
好きだな〜♥♥♥
と、なおみは、感慨に浸りながら、当たりを見回し、ゆっくりと歩いた。
狭い路地の空間にも、無駄なく飾られている、京都人のセンスの良さに、思わず目からハートが飛び出て胸がキュンと、嬉しくなる一瞬だ。
間口は狭くても、奥行きがあり、店中はホコリひとつ無く、清潔感に溢れていた。
街並み、八坂神社、清水寺、、、と
練り歩いていると、さすがに疲れてきて、お腹がすき、食事何処に吸い込まれるように入っていった。
ここでは、日本酒を飲んだ💕
ランチに日本酒‼️ キレイなお庭を見ながら飲むお酒は、格別だった。
店を出たあと、ついに舞妓さんを直に見れた。
蛇目傘をさし、歩く姿はビューティフル♥
柳のある通路を歩く姿は、女から見ても、うっとり見とれてしまう。
まるで、芸術作品だ♥
思いっきり京都を堪能し、
さて、新幹線に乗り込み、ふと、携帯をみると、
ルミからの鬼電と、ショートメッセージが、いくつも入っているではないか❢❢
この人、病んでいるのだろうか?
でも、、、、
会った感じでは、凄まじくエネルギーの強さを感じ、羨ましく思えるふしも、たくさんあった。
この人と、もう、疎遠にしたほうがいいのか?
それとも、、、、、
多角的に見たら、楽しい部分も沢山ある。
そんな、ルミに対して、引き込まれるようにも感じていた。
自宅に着き、落ち着いたなおみは、恐る恐るルミに連絡してみた。
ルミは、自宅で、美容師をしている。
接客に慣れているのか、歯切れのよい挨拶で電話に出た。
『ありがとうございます😊〇〇美容室でございます✨』と、
お決まりのセールストークではあるが、普段話す声よりも、ワントーン高く、テンポも良く、ハキハキしている。
『ルミちゃん? なおみよ。 昨日、自宅に帰って来たのよ』
と、言うか言わないか、判らないうち、
『今、お客さんやねん‼️』と、ブチッと、電話を切られてしまった。
な、何なんだっ⁉️ この人‼️
ホントに自分勝手な人だ、、、
自分は、喋りまくっといて、、、
せめて、最初に、ゴメンねくらい、言えないのか、、、
と、むくれていると、数十分後、折り返し、ルミから電話が入り
『なおみちゃん、お疲れ様やったな、、、やっと、お客さん帰ったわ! 』と、話すルミの声を聞いたら、こころなしか、ホッとした。
『彼なー、なかなか、電話にでぇへんねんやんかぁ〜』
ルミは、確かにイラついている。
色々、事情を聞く所によると、髪を切りに客として現れた、今の彼に、ルミは、最近、
『付き合って下さい』と、告白されたらしい。
この彼氏に、今、現在、妻子は居るが、離婚を考えているとの事。
子供も、もうすぐ18歳になるから、就職し1人暮らしをする為、手が放れる。
妻と、離婚成立したら、ルミと一緒になろう!!
そう、約束しているのだった。
その、はずだと、信じてやまないルミだが、
その一方で、
いつ、今の奥さんと、離婚してくれるんだろう?
いつまで、奥さんと、一緒の部屋で暮らすのだろう?
彼は、ホントに自分だけのものになるのだろうか、、、?
信じたいが、どうしても疑心暗鬼がよぎり、日夜ストレス状態のようだ。
こうして、待たされる身は、確かに辛いだろうな、、、ルミの話を聞いていて、共感できる所も多々あった。
ルミは、電話口で、こう言った!
『あんな、なおみちゃん、風水の秘宝て知っとるか!?』
『何? それ』
『毎年な、自分の吉方位を調べて貰って、ある砂を送ってもらうんや、コレすると、100%叶うらしいで‼️』
ほうほう、、、それはまた、興味深い話。
『で、どの位かかるの?』
『49800円や、自分の夢、叶える為やったら安いんちゃう⁉️』
あっけらかんと、明るく答えるルミの結果が知りたくなった。
世の中の、神頼みや、秘宝と言われるものや、錬金術が、果たして、結果、、、、叶うのかどうなのか???
この、勢い余るルミこそ、それらのことを、実証してくれるかも知れない。
『アタシな、彼から告白されてから、この砂、ずーっと吉方位に置いて祈ってんねんで!!』
なおみは、ルミの行動力が羨ましかった。
次から次へと、自分の
『こうしたい♥』欲求にむけて実践していけてるからだ。
懐事情といつも、相談し、頭で動くなおみ自身とは、真逆に、銀行からお金を借り、仕事にも精を出す傍ら、
整形し、自分の満足いくように、自分を整え
好きになった男性までも、必ずやゲットしようとしている生き様に圧倒される部分は多かった。
が、何故か???
なおみには、ルミの外見から、かなりの『苦労』が見えるのも事実だったのだ。
どこか、痛々しさを感じてしまう。
必死さが伝わってくるのだ。
なおみは、ルミに対して、しんどい人だなーと思う反面、自分にはない、『したたかさ』を持ち合わせている所を見習いたかった。
岩をも通す信念を感じる !!
こうして、ルミとなおみは、どちらからともなく連絡をし合う仲になっていった。
ある夕方のこと、
いつもの如く、ルミから、なおみの携帯にかかってきた。
第一声で、
『アタシ、人を殺せるて、確信したわ!』
→第3章に続く→
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