忘れられないヒト(第1章 出逢い)
@lovejoy3753
第1話 出逢い
これぞ!まさに、女の執念だっ‼️
ルミちゃんの、一挙手一投足に圧倒されっ放しだ。
とあるコミュニティで知り合った、ルミと、田宮なおみは、気がついたら意気投合していた。
押し様の講演会を聞く為に、大阪の巨大ホールに向かう途中だった。
方向音痴、機械音痴のなおみは、道に迷い、かといって正しくナビも使えず、距離的には、近いと分かっていたが、スマホでのナビ操作を面倒に感じ、タクシーで目的地まで行く事にした。
タクシーを降りたとたん、目の前にルミが居て、いきなり、なおみに、話かけてきた。
『ココで間違いないんちゃうん?』
人懐っこい、ルミの雰囲気と関西弁が心地よく
『そうだと思います。一緒に行きましょ!?』と、なおみは直ぐ応答した。
他にも女性が、グループのように、『かたまり』になって、わんさかと至る所に点在して居たが、なおみと、ルミは、ココで知り合い、ホールまでの長い階段を2人で一緒にのぼっていった。
初対面なのに、ルミは、気さくに話かけてくれる。
と、いうよりは、、、
機関銃が発射するかの如く、喋りまくる。
『アタシなぁ、スピリチュアルな話が大好きやねん、ネットで見て、今日の講演会に来たんやけどなー、なかなか、近くに話が会う人がおらんからな、、』
そう言ってちょっと微笑むルミの顔は、キレイだった。
だが、、、
どこか、 変 !!
なおみは、ルミの顔をチラ見しながら、話を聞いていた。
どこか、サイボーグのような、、、
アンドロイドちっくな、、、
それでいて、話しの内容は、メッチャ人間臭い
この人、どーゆー人?!
なおみは、ルミに興味をもった。
講演会が終わった後、お互い連絡先を交換し、又、どこかで会おうね!と、別れようとした時、
『な~、どっかで食事でもせぇへん?』と、ルミが誘ってくれたので、ブラーっと食事が出来るオシャレなお店を捜しながら、街を歩いた。
2人で、歩いてる時、ルミの携帯が鳴った。
『あっ! 彼氏や! アタシ、告白されちゃって〜』
そう、嬉しそうに言いながら、
『ちょっと離れてくれへん? アタシ、 話あんからな!』
もしかして、自分勝手な人なのかも!?
と、なおみは、ルミの態度に、一瞬、ムッとしたが、ルミのいう通り、見える範囲に離れた。
何分か、しばらーく待たされた後、
『アタシな、13歳年下の男に告白されたんや💕』
『アタシなー、彼と結婚式挙げる時に、あんなキレイなウェディングドレス着るのが、ずぅーっと夢やねん💕』
うっとりとした顔で話すルミの目の先には、
真っ赤な、ド派手なカクテルドレスが店のショーウィンドウに、 デーーーン と、ディスプレイされてあった。
『ルミさん、お幾つ?』 恐る恐る、なおみは、聞いてみた。
この人、正直に、答えてくれるかなーと、思いながら、彼氏との馴れ初めも聞いてみたくなった。
若いとは、見え難い。けれど、ウェディングドレスに少女のように、憧れを示すルミに、一筋縄ではいかなかった、それなりの過去があるのを感じた。
『アタシ、幾つに見える?』と聞くルミの顔は緊張しているように見える。
なおみは、正直、わからなかった。
ほっぺがポッチャリしていて、あまり、シワもなく、ツルっとした肌。
声は、高く、話しかたも、ピヨピヨと、ひな鳥が鳴くような、かなり早口だけど、可愛らしさがある。
それでも、どこか、違和感を感じるのは否めなかった。
年齢不詳だ! なんて、答えようか???
そう、迷っているなおみに、
『アタシ、もう、50過ぎてんで!!
今、52歳や、、、なおみちゃんは?』と、
矢継ぎ早に聞いてきた。
やっぱりな、、、、
首や、手を見ると、決して『若い』とは、言い難い。
手の関節は、ニワトリの手足のように、ふしくれだっているのが目立っていた。
それにしても、顔だけは、ロボットみたいにギラリとしている不思議な、女性だ。
50歳過ぎている。と、きいて、なおみは納得がいった。
何か手を、施しているんだろーなー、、、、、
確かにキレイ!!
だ け ど、、、、、
語尾に 『だ け ど、、、!?』がつきまとい、少し違和感の謎を解きたくなってしまう、なおみだった。
『私は49歳よ。今、40代最後!! 歳って、あれよ、あれよというまに直ぐ取るよねー、、、
よもや、自分が、もうすぐ50代になる事なんて、想像できんかったけど、、、
結局、精神的には、な~んにも変わってないような気がするよ』
一通りの事は、それなり、世間並みにやってきた
つもりではあるが、コレといった信念の元に生きていない事に、うすうす気付いていた、なおみは、愚痴っぽく話をしてしまっていた。
『そーなんかぁー?』
『、、、、、、、、、、、、、、、、、、、』
ルミとの会話は、暫く、なが〜い沈黙が、続いた。
じめっとした、夏の夕方
汗ばみながら、なおみとルミは、街の路地をゆっくり2人並んで歩いていた。
その瞬間、サーッと気持ちの良い風が首元に入った時、生き返るような心地よさを感じた。
『あんなー‼️』
突然、ルミが切り出した。
『アタシ、整形しとんねん‼️』
ハァ、、、やっぱり、そうかっ!!
そうだったのかっ!!
この違和感の正体は❢❢
今度は、なおみがルミを質問攻めにした。
『どこを、どんな風にしたの?』
『痛みはー?怖くなかった?』
『最初の動機は、何なん?』
なおみの、流行る気持ちを、まるで遊ぶかのように、ルミは、そこで話題を遮り、
『あっ❢ この店、可愛いいやん、ちょっと見ていかへん?』
と、イタチのように素早く店に入っていったかと思うと、店内をウロチョロ、ウロチョロし始めた。
可愛い、小物雑貨が、ガラスケースに所狭しと飾ってある。
『な~、コレ、良くないか?』と、ルミは、木彫りのイヤリングをつまみあげ、なおみに見せた。
なおみの趣味ではなかった。木に顔が掘ってある不気味なイヤリングに、趣味の悪さを感じてしまったのだ。
『ウ~ン?そぉかな〜?』と、思わず、本音が出た。
趣味ワルッと思ったから、イイネ!なんてお世辞が言えなかったのだ。
すると、ルミは、すかさず言った。
『なおみちゃんは、どんなんが好きなん?』
語尾が強く、ちょっと、キッ‼️と怒ったようにも感じとれた。
自分のセンスを否定されたような気分になったに違いない。
なおみは、
自分のセンスは、コレよ!!素敵でしょ?と、言わんばかりに、キラッと光っていたキラキラガラス細工仕様のイヤリングを選らんで見せた。
『コレなんか、可愛くない?』
すると、間髪入れず、ルミは強い口調で反撃するように言った。
『アタシ、そんなん、キライや‼️』
なおみは、瞬時に感じた。
あ〜、ルミという人は、たてないといけないタイプの人なんだな、、、
こういうタイプの人には、相手に華を持たせるような会話をしなきゃ、気まずくなるぞ!
気をつけなければ!!
なおみの脳裏に警報がなった。
意気投合したとは言え、うっすらと、いやいや、うっすらどころか、強く、強く‼️
ルミの『気性の強さ』を感じとった。
なおみは、エネルギッシュなルミに対して、興味と、警戒心と、どこか、憧れに近い感情を抱きながら、そのまま、店を出て
次は、イタリアンのお店を見つけ、食事をすることにした。
2人とも、スパゲッティがだーい好き🩷
なおみは、肉汁た~っぷりのボロネーゼ、
ルミは、カルボナーラと、野菜サラダ🥗を注文した。
なおみは、2人で、お酒赤ワインでも飲みたかったのだが、ルミは、この後、車を運転して帰るからとの理由で、食事だけして、この日は、別れた。
次、また、会える日が来るのだろうか?
それとも、このまま
社交辞令の、『又、会おうね約束』だけで終わるのか?
ルミの地元の大阪と、なおみの住んでいる高知県と、離れた距離を思うと、このままで、終わるのかなぁ、、、?
なんて、感じながら、ルミにありがとう♥楽しかったね、、、又ね!!
そう言いながら、握手して、その日、なおみは、別れた。
せっかく大阪まで来たんだから、翌日は、京都の街を散策するぞ!
と、張り切っていた。
祇園を、ゆっくり練り歩いて、美しい街並みや、舞妓さんを見たかった。
京都のホテルに移動し、早起きして、
思いっきり、京都を楽しむぞ‼️と、思いながら、身支度をしている最中、なおみの携帯に
電話がリンリンと鳴り響いた。
こんなに、朝早く、誰だろう?
まだ、朝の、6時にもなってないのに、、、
入院中の親が死んだんじゃないだろうか!?
心配しながら、携帯を見ると昨日、会った、ルミからだった。
なおみは、少し不快に感じながらも、
『はーい』と、携帯に出た。
いきなり、かん高い声で、ルミは、まくしたてるように喋りはじめた。
『な~‼️ どう思う? 彼にいくら電話しても、出ぇへんねんで‼️』
『実はな、彼、奥さん、おんねん❢ 家庭内別居しとんねんけどなー、
アタシに告白しといて、なかなか、別居せいへんのや』
こちらの都合など、お構いなく、またまた、ルミは、矢継ぎ早に喋りまくる。
人の時間も考慮にいれず、おはようの、挨拶すら無く、、、
全く、、、 身勝手な人だ。
なおみは、ルミに呆れた。
この時点で、関係性を終りに出来ればよかったのに、ついつい、ルミの話に、相槌をうっていくうちに、ルミのペースに巻き込まれそうになった。
何処かで、話を切りたいが、話が終りそうもない、、、ルミは、どこで息継ぎをしているのか?
このまま放っとけば永遠に喋りが止まりそうもない。
『ルミちゃん、ゴメン! 今日は、これから京都観光するから、時間ないのよ』と、やっと言えて、なおみは、電話を切った。
すると!!
今度は、なおみのショートメールに、ジャンジャン文言が、入ってくるではないか、、、!
携帯番号だけの交換だった為、ラインまでは交換していない。
このショートメッセージに、これでもか!!という位の、お悩み相談めいたものが、次々に入る。
キリがない、、、このまま、お相手していては、ちょっと困ったことになるな、、、
凄まじい怨念めいた空気感を感じながら、ショートメッセージは、暫く、無視をして、なおみは、ホテルを後にした。
→第2章に続く→
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