生きて、と君はいった
きみがあまりにも優しく笑うから、この世界はもしかして優しさもあわせ持っているのではないか、と思ってしまって、けれどそれはただの幻想だとわかってもいた。声も、まなじりが人より細まる笑い方も、華奢な肩も触れるだけで心安らぐ指先も。君はその輪郭ごともうどこにも居ないことを、君の遺影で、毎日、再確認している。僕の名前を呼んでと我儘を言いたい。もう全て投げ出して抱き締めてしまいたかった。けれど君はそんなこと望んでやしないから、最期に君が祈った、生きて、を噛み締めて、生きていく。どうか世界よ、優しく、どうか。いつか再び会うときに、その美しさを君に語って、きかせられるように。
恋愛小説集 永遠の恋なんてないよ 蔵野依心 @io_kura
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。恋愛小説集 永遠の恋なんてないよの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます