第15話 ナリーの過去・①

「ここは、デルの宿屋?」


 目を開けると見知った天井が目に入った。私は確か、北東の方に毒消し草をとりに行って、水を飲もうと池に近づいて、それで......。


「入っていいか」


 私の身に何があったのかを思い出そうとしていると、突然ドアからノックがした。私は誰の声かよくわからなかったけど、「はい」ととりあえず短い返事をする。


「気分はどうだ?」

「あ、あなたはっ!?」


 私の部屋に入ってきた男の人の顔を見た瞬間、今まであったことのすべてを思い出した。私はあの不思議な男の人に助けられたんだ!


「あ、ありがとうございましたっ!!おかげさまで元気溌剌はつらつです!!」

「そのようだな。よかった」

「あの、一つお聞きしたいんですけど」

「ん?なんだ」

「私、あなたとどこかでお会いしましたっけ?」

「いや、ないが。どうして?」

「道具屋で私のこと、『ナリー』と呼んでいましたから」

「あっ」

「もしかしてあなたも、ステータスを見ることができるんですか?」

「......」

「おかしな話かもしれませんが、私は視界に入るもののステータスを見ることができるんです。ひょっとしたらあなたも、と思ったのですが」

「そうだ。あそこで倒れているのを発見したときにステータスを見させてもらい、そこで名前を知った」


 やっぱり。最近知られるようになったばかりの「死の毒」を一目見ただけで判断してたし、いずれにしてもこの男の人はただものじゃない。


「その、気味悪くなかったですか?」

「あぁ、ナリーのあのステータスのことか」

「はい」

「確かにわからないことだらけだったが、別に気味悪いとまでは思わなかったな」

「ほ、本当ですか?」

「かくいう私も変なステータスだからな。見てみるといい」


 変なステータス?私以外にもいることにものすごく興味がわく。しかし、その興奮を何とか抑え、「失礼します」と小声で言いながら彼のステータスを<判定>スキルでのぞく。


「うわっ!本当だ!変なステータスだ!」

「そんなにはしゃいで、何がそんなにいいんだ」

「いや、嬉しいです。私たち仲間ですね!」

「仲間?」

「はい!変なステータス仲間です」

「なんだそれは」




 ◇◇




「アルフォンス様。四女のナリーのスキルについてですが」

「どうだった」

「どの学者もさっぱりわからないと」

「そうか」


 生まれながらにしてスキルを持っているものだからかなり才能があると期待していた時期もあったが、10歳になった今でも<判定>という呪われたスキルしか開花していない。それに、


「HPとMPが最大まで回復できない原因も分かっておりません」

「やはり、呪いか何かなのか」


 彼女のHPとMPには?がついているせいなのか、最大値まで回復できない。この前も聖女様から頂いたエリクサーを使用したものの、効果はなかった。ルジャンドル家に呪われた子がいると知られては困る。どうにかできないものか。

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