第12話 高難易度毒消し草
【依頼】 毒消し層の採集
スティープ町から北東の池のほとりに群生する毒消し草の採集をお願いします
報酬:20銅貨/10g
推奨階級:D~
簡単かつ報酬がよさそうなのはこれかな。ただ、報酬や推奨階級に取り消し線があるのが気になる。もともと報酬は10銅貨/10g、推奨階級は全階級と書いてあった。
「あなたですか。この依頼ばっかりはお勧めできませんよ」
「またギルドの想定外かもしれないということですか」
「えぇ、確実に。すでに二人の冒険者の行方が不明になっています。今朝も一人の少女が私の抑制を押し切っていったっきり......」
それで依頼の推奨階級や報酬が上がっているのか。ただ草をとればいいだけじゃないのか?それとも、触っただけで死ぬ草も混じって生えてるとか!?
《アドバイス。マスターの<判定>により、植物の鑑定も可能。仮にそのような草が生えていたとしても、間違って触るなどといった問題はありません》
そうか、ならよかった。
「わ、私は植物に詳しいんでね。も、問題ないと思いますよ」
まさか、素数以外まともに勉強してこなかった私の口からこんな言葉が出るとは。
「本当ですか?」
カウンターのお姉さんは疑い深い視線をこちらへ向けてくる。ステータス偽装の疑いから始まり、今までこのお姉さんに好印象を与えたことがないな。
「......あなたのことはわからないことが多いですが、くれぐれも気を付けて」
「は、はい」
なぁ、助手さん。この前私のどのスキルも見たことがないと言われたが、<判定>も珍しいものなのか?
《はい。<判定>は<
なら、このスキルもあまり広めない方がいいな。
《植物などを鑑定する<鑑定>も珍しくないスキルではありますが、様々な知識や経験を必要とするため、冒険者でこのスキルを持っているものはかなり少数です》
どおりで。「植物に詳しい」と冒険者が言うのは怪しいことだったのか。
◇◇
「はぁ、はぁ」
もうかなり歩いたが、目的地はまだなのか?
《目的地まで、あと2kmです》
「あぁ.......」
頭の中で絶望の助手カーナビが聞こえる。張り切ってバカでかい道具袋やその他アイテムを買いまくったのが間違いだったか。ものすごく動きづらい。ステータスはこの世界にきてからかなり上がったものの、スタミナは変わんないんだな。
「もっと、外出て運動しておけばよかった」
ずるずるとポーションや非常食、寝袋を詰めた道具袋を引きずりながらなんとか目的地に到着した。
「うわ、めっちゃ植物の種類がある」
いざ植物を見ると、彼女のノートで勉強した植物学を思い出した。葉の生え方や葉脈、色や形など。しかし、その漠然とした知識では全く実践に結び付かない。
《マスターのいた世界とは植生が大きく異なります。いづれにせよ、この世界の知識がないマスターには<判定>が必須かと》
「そうだな」
スキルの使い方は魔物に使った時と同じであった。じっと眺めるとその植物に関する情報が流れてくる。そしていくつかステータスを見ていくうち、ついに毒消し草を発見した。
毒消し草
効能 1
これを集めればよさそうだな。簡単じゃないか。私の中から変な不安が一気に吹き飛び、さっきまで棒になっていた足は嘘のように元気になり、私は無我夢中に毒消し草を集めていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます