第4話 素数コレクター

《レベルアップに伴い、新たなスキル、<素数表>を獲得しました》


 素数表:2,3,5,7,11,37


 突然頭の中にいくつかの素数が浮かび上がる。これが素数表?だが、11の次は37まで飛んでしまっている。これはいったい?


《マスターが今回の戦闘で獲得した素因数です。<素因数分解>で出てきた素数はこの<素数表>へと追加されます》


 なるほど。37はさっきの素数スライムのHPから来たんだな。まさか、<素数表>はこれしか機能がないのか!?


《いいえ。獲得した素数はステータスに掛けることができます》


 ステータスに掛ける?つまり、37をHPにかけて17・37で629に増やすことができるということか?


《はい。ただし、一つのステータスには一つの素数までしか掛けられません。また、一度使用した素数は素数表から消えるため、同じ素数を使いまわすことはできないので、注意してください。また、......》


 そりゃぁいい。じゃあさっそく、問題のHPに37を掛けるか。この低HPとはさっさとおさらばだ!


「ぐっっ!!??」


 そう思った刹那、目の前の視界がぐらんと揺れ、意識がもうろうとしてくる。


《危険!現在、マスターのHPは11/629。生命力が1.754%以下まで低下。現在HPに11の素数を使用します》


「はぁ、はぁ」


 だいぶ気分がましになってきた。どうやら生命力とやらは最大HPと現在HPの比率のことらしい。つまり同じ現在HPでも、最大HPが異なれば生きている心地も変わってくる。そして、<根基ラディカル>同様、最大HPと現在HPは区別される。私は先ほど最大HPを37倍にしただけなので現在HPは変わらず11のまま。最大HPの2%未満になってしまい、一気に死が近くなったわけだ。助手が現在HPに11を掛けてくれたおかげで、HPは121/629。生命力は20%程に回復できた。


《マスター、忠告を最後まで聞いてください。MPとHPは最大値と現在値の二つに分かれるので、特に最大HPを上げる際には注意してください。また、現在値は最大値を超えない分なら何度でも素数を重ね掛けすることが可能です》


 くっ、これくらいのことは今までの戦闘で察っせたはずだ。かなりの良スキルの獲得で調子に乗ってしまった。


《最後に、相手の現在HPと現在MPからは素因数分解しても素数を得ることはできません》


 ほぅ、つまり相手のHPをいい感じに削って巨大な素数を集める、なんてことはできないようになっているのか。大きい素数ほど強力だが、入手が困難になる。となれば、さっきの戦闘で手に入れた37は、かなり貴重な素数だったのでは?


 その後は慎重に素数を振り分け、現在のステータスは次のようになった。


 素野数隆 Lv7


 HP 125/629 (37)

 MP 17/34 (2)

 ATK 119 (7)

 INT 17

 DEF 85 (5)

 AGI 51 (3)


 スキル:<素数プライム・ナンバー>、<助手アシスタント


 <素数プライム・ナンバー>:<判定>、<素因数分解>、<根基ラディカル>、<素数表>


 素数表:なし


 うんうん。見違えるほどに強くなった。使用した素数はステータスの右側に丸括弧の中に表記されていて、かなりわかりやすい。素数表にあった素数はすべて使ってしまったが、これくらいの素数はまたすぐに手に入るだろう。さて、そろそろいい時間になってきたし、もともとの目標である宿探しに行こうか。



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