概要
灼熱の安楽に抗う覚悟が、いま凍てつく世界への扉をこじ開ける
誰もが知るこたつの快楽に囚われた主人公は、底知れぬぬくもりに溺れ、生きる意欲すら失いつつあった。だがある日、自分自身の存在がこたつの中で朽ち果てていく恐怖に気づき、寒さへの挑戦を決意する。いざ布団をめくり、震える足を押し出す行為は、足元の大地が割れ、荒れ狂う津波に飲み込まれるほどの恐怖を伴う。しかし、その一歩は甘美な監獄からの解放でもあった。脚を抜いた瞬間、世界は刺すような冷気に満ち、感覚は激痛に近い痺れで支配される。それでも歩みを止めれば、再びこたつの誘惑に捕らえられ、もはや二度と抜け出せなくなる危険がある。主人公は生きるために、足を震わせながらも立ち上がるのだ。極寒の地で苦しみに耐えながら、主人公が見いだす希望とは何か。こたつの温もりを捨てて得た自由は、果たして本物の生へと繋がるのだろうか。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!日常の中のこたつが、壮大な冒険の舞台に変わる瞬間を描いた物語
三坂鳴さんの『こたつ』は、一見するとただのありふれた日常の一場面を題材にしています。でも、そのこたつの中から抜け出すまでの葛藤を、壮大な冒険譚のように描き切ったセンスが光る作品やで。
こたつのぬくもりに閉じ込められる感覚を、「牢獄」や「魔力」といった比喩で表現し、ただの室内風景をまるでファンタジーの世界観のように引き上げてるのが圧巻や。読み進めるうちに、こたつから抜け出すことが単なる物理的な行動やなく、「安楽に流されることへの抗い」や「未知の冷たさに挑む勇気」を象徴してるように思えてくるんよ。
比喩表現が多い分、読者によっては少し難解に感じるところもあるかもしれへんけど、それが逆に作品の…続きを読む