第3話
「あった!!」
畑に足を踏み入れ、目を血なまこにして探していた巳代治が大きな声を出した。
鞄の口は開いており、中身も無惨な状態だったが、月明かりの中巳代治はぼんやりと浮かぶ白い紙の束を見つけた。
枚数と内容を確認し一枚もなくなっておらず、すり替えもされていないことが分かると、巳代治はホッと溜息をつく。
急いで鞄の口を閉じると、探しに行っている他の三人に報告しに行った。
四人全員揃うと、巳代治は伊藤に向かって頭を下げ、謝った。
その後巳代治の鞄の中からは百八十円が盗まれていただけだったことが判明し、金子や巳代治は生涯それを隠さず笑い話として語り継ぎ、今日に至る。
憲法盗難事件 雨森 すい @amemori_oO
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