第5話 02:00~03:00

「そんな不可思議な力があるってよう、

俺にはそんなもん使った記憶も歴史もねぇんだぜ?」

『この世界に召喚された貴方が、何の技能もないなんて…

無いはずです。』

「随分自信たっぷりじゃねぇか、何か根拠でも?」

『我々は生まれながらに、

何かしらのギフト(スキル)を神様から頂くのです。

召喚された貴方が、神の力を得ないなどとは、

思えません。』

「だったとしてよ?俺にはギフトとやらの使い方は

まるで全く解らねぇ。意味がねぇ。」

『私が教えます。私の力は「ドリーム・シアター」。

金属や布製品をバラバラにして組み立てる事。

ドレスやコルセットがきつい時、紐をバラバラにして、再度組み立てるのです。

能力を使う時は、心の奥底から手を伸ばす様にするのです。』

「心の奥底、ねぇ…」


自分の心には何があるだろう?。

前の会社にいた時、上司が更年期障害起こしたのか、

20代の新入社員を、イジメにイジメまくって、

うつ病、退職にまで追い込んだ。

その後俺は、その上司に対し、煽る様な対応をし続けた。

例えば「その書類が無いのは、お前の無能の証明であって、

俺のせいじゃないんだよ知恵遅れ。」とか。

顔面真っ赤にした上司が殴り掛かってきた時、

殴られながら「しめた!」と思った。

全力で殴り返し、崩れ落ちる上司を何度も何度も顔面をデスクの角に叩きつけ、

倒れた上司の背中に何度も何度も椅子を叩きつけた。

背骨が折れたのか、小便を漏らした上司に対して

「もう一人でオシッコできないね。」

と言った時は最高の気分だった。

法とかくだらん倫理の為に自分が我慢する。

笑う他人がいて、苦しむ自分が居る。

ふざけるな。

敵は殺す。


煮えたぎる様な熱を心の奥底から感じ、

同時に体全体へと伝わる熱を感じる。

「あぁ解ったよ、俺の力、俺の能力は



ダイハード(中々死なない)だ。」

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