第10話 サンプルシナリオ「領主の指輪」 ドラクの視点
情報収集のためバラバラになった後、アタシは盗賊ギルドを探した。
砦に栄えた街だとしても、これくらいの大きさならギルドはあるのが普通。
こまかいことはヒミツだけど、盗賊にだけわかるヒントを辿ってギルドに着く。っていうか、ギルドの窓口に、だけどネ。
情報料として金貨1枚も渡して、流れの盗賊で昨日の夜から今朝までに砦を出たヤツが居るか訊いてみた。
ひとり、居た。
名前はゲーノ。流れの盗賊で2日前に砦に来たんだって。今朝早く砦の門から外に出たけど、どこにも向かっていないって。
「?」
と思って訊いてみると、ギルドの窓口の人は教えてくれた。
「人や荷の流れも大事な情報だからよ、砦から延びる道には監視を付けてんのよ。っつーかどの街のギルドもやってることだ。んでゲーノの奴は西 東 南のどの道も使ってねぇ。北は魔物が出る森だからそっちに逃げるってことはしねぇだろうよ。後は…」
砦の南西に、砦の”出城”として使われていた洞窟があるんだって。
そこへ逃げたんじゃないかって話だった。
お礼を言って去ろうとするとギルドの窓口の人が逆に訊いてきた。
「ところで嬢ちゃん。ゲーノは一体何をやらかしたんだい?」
「うん。泥棒。だけどそれ以上は言えない。仕事を請けたときの約束だから。」
「そうかい。」
窓口の人もそれ以上は訊かない。アタシが雇い主の信用を裏切る訳にはいかないことをわかってるから。
だけどギルドが「価値がある」と判断したら、アタシ達がこの後どこへ行くか、誰に会うかは監視されることになるんだろうな。だからアタシが言わなくてもおおよそはバレちゃう。
お互いそれはわかっているから、それ以上は引き止められることはなかった。
待ち合わせ場所にはツェッペリンが居た。
ツェッペリンは砦の門番と、宿泊所何件かに訊いて回ってたんだって。
今朝早く出発した人は3名で、そのうち昨日から砦の周囲の地理をいろいろ訊いていた男は1人。名前は「ゲーノ」ってことだった。
アタシもアタシが仕入れた情報をツェッペリンに伝える。
「おそらくゲーノという盗賊で間違いないですね。そして南西の洞窟に暫く身を潜めるつもりでしょう。ほとぼりが冷めた頃に首都にでも向かうつもりなんじゃないでしょうか。」
うん。アタシも同意見。
さっそく携帯食料をみんなのぶん買って、訊き込みやってるフローセヒ捕まえて、何して良いかわからず街をウロウロしているだけだったししょーも捕まえて洞窟へ出発!
今回は冒険っぽいカンジになるんじゃない?
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