ポジティブ主人公なので、読んでいて楽しいです。 ですが、単に楽しいだけでは終わらなそうな深みを感じる作品です。
“完璧ないい人であること”を止められず、プライドが高い清継だけれど、自分を完璧だと思っているからこそ、そこに歪みが出て、不完全になっているって感じです。
必要なものに気が付き、清継がどのように成長していくのかを見守るのが楽しみです。
けれど、“完璧だと思っているから完璧ではない”という、人間味が良いところでもあります。 おそらく、完璧人間ではつまらないですもの。
何気にメンズ組の友情も見守ってます! ゴリケン良いですね。
女キャラの中では、笹本さんが良いです。
良い人であることを心がける汐森清継は自称完璧な残念イケメンであり、ラブコメ主人公である。別に難聴系ではない。
完璧を目指し、良い人を目指していても、ほど遠く。自分に思いを寄せる女の子のことを覚えておらず、いいムードを作られそうなら意図的に難聴系主人公になることも辞さない。元カノと復縁したい、と何とか頑張っているがから回り感はぬぐえず、けれど、こんな青春もありかな、と思わされる。
どうしようもない男は、真に完璧なラブコメ主人公になれるのか。思いを寄せる後輩や、元カノは彼とどうなっていくのか。もがき苦しむ青春に目が離せない、甘くないラブコメ。
学年一の人気者・汐森清継。
容姿端麗、性格も良し、女子からの告白は日常茶飯事。
そして彼女は、学内屈指の"高嶺の花"向崎恋花。
まさに完璧な俺に相応しい"最高の彼女"──そのはずだった。
「清継君、私たち友達に戻らない?」
ある冬の日、告げられた別れの言葉。
「理由は?」と聞けば、彼女は笑ってこう言った。
「清継君、良い人すぎてつまんないの。」
……は? 冗談だろ?
俺が"振られる"なんてありえない。
でも、恋花の瞳は本気だった。
友達に戻ろう? そんなの簡単に言うけどさ──
男女の友情なんて成立するわけないだろ?
名前を呼べば睨まれ、話しかければ突き放される。
それでも、俺はまだ恋花のことが忘れられなくて。
これは、未練を捨てきれない元カレと、
完璧すぎる元カノが"友達未満"を続ける物語。
イケメンで人気者なのに「良い人過ぎる」という理由で
冒頭から彼女にフラれる主人公に同情……する暇もなく、
彼は復縁に向けてめげずに動き出します!
彼は「良い人」ですが決して聖人君子ではなく、
ざっくばらんな雰囲気をしていながら実は根が優しい、
というリアルな人気者タイプです。
会話の随所にもボケとツッコミが入っていたり
非常に軽快なテンポでお話が進んでいきますが、
結構テーマは深く、人気者ゆえの苦労が描かれています。
この主人公のような人気者じゃなかったとしても
思わず共感してしまう人も多いと思います。
本当に大切なものを守るためには
何かを切り捨てなければいけないということを
ふと考えさせられる、そんな作品です!
いきなり主人公が「良い人過ぎる」という理由で振られてしまうところから話は始まりました。
元カノのその理由もなんとなくわかります。
振られた後のふたりの関係。
元カノさんの会話がグサグサしているのですが、妙に息が合っているというか、男前というか。はたから見ていると、とても楽しく、クスリと笑ってしまいます。
主人公目線で語られる文章もスッキリとしていて、ストレスなく読めました。
スッキリとしているなかに、ちょっとしたツッコミやら言葉遊びのような言い回しが隠されていたり……。
読みやすかったです。
主人公が最後まで良い人を貫くのか、復縁するのか、それとも新しい彼女ができるのか、青春ですねぇ~。