第18話 島たんたん

 皆からの期待の眼差し、、もう後には引けないこの状況。なぜ、、そうなる?目の前の男に完全にはめられた!そして、、この場にいる全員が俺からの返事を今か今かと待っていた。


 やばい、、、これは詰んだな、、、今まさに一同の注目を一手に集め物語はここから一気に進み出す瞬間であった。


 なんで?こうなったかと言うと、、実は「淀殿」を助けたことが発端である。


 助けたお礼として、、今晩の宿をお願いしたが、まさかの城に連れてこられた。しかも、、その城とは、、あの有名な「大阪城」だった。


 まさか、、大阪城の近くにいたとは、、まぁまぁ歴史好きの俺としては、テンションMAX!!そして城に着くと、、中には武士でいっぱいで、いたる所で訓練をしていた。


 ちょっと嫌な予感がしたが、まさかな、、城への好奇心の方が勝り、、憧れの城で頭がいっぱいだった。我ながら、そこで気づけよ!今さら後悔しても遅い。


 そして本丸についた俺は座敷に通され、そこには、やけに腰が低く、、穏やかなオーラに包まれているが、、やけに眼光はするどい、一人のイケオジがいた。


「この度は淀殿を助けていただき感謝いたします」

「いえいえ、あたり前のことをしたまでです!」

「その謙虚さ誠に感服いたしました」

「ぜひ、お名前をお聞かせください」

「私は、、島右近と申します」 


 俺が名前を言った時、一瞬だが、、何か反応した気がした。


「もしや、あなた様は、かの有名な島家の人

 ですか?」

 ど天然である、俺はその意味を深く考えず、気がつけば、頷いていた。

「そうであったが、それは心強い!」

「では、せっしゃは、軍議がありますので、また

 夜には宴を開くので、ぜひ楽しんでください」

「ご丁寧にありがとうございます」


 それで、、あの人誰だったのだろう??まぁ後で聞けばいいかと、、、マイペースな俺はフラグを立てまくってる島であった。


 やっと、、一段落ついた俺達は畳に寝転がり気づけば寝落ちしていた。どれ位、寝てたのだろうか?あたりは夕暮れ時か、、ふと顔を横に向けると舞姫がスヤスヤと寝てる。


 何度見ても完全なる美少女だ!まゆと背丈も似てるし、、最近なんだか、、まゆとかぶる時がたまにある。まゆが舞姫な分けがないと、、思いつつ、、まゆのことを考えると少し胸が痛くなった。


 一人だけ、現世に戻して、めちゃくちゃ怒ってるだろうな?あの日から約一年が経とうとしている、今では鍛錬の効果もあり、デブだった頃に比べてだいぶ筋肉がついたように思える。次回から「恋愛スキル0のムキムキと麗しの君」にタイトル変更だなと、、またしょーもないコトを一人考えていたら、、誰からか俺達を呼ぶ声がした。どうやら、宴の準備ができたみたいだ。


「姫!そろそろ起きてくださいよ」

「まだ朝は早いよ、、島たんたん、、、」


 姫は寝ぼけながら、そう答える。何この可愛いい女子は、一瞬で俺のハートを掴んで離さない。「ブレイクハート」のスキル持ちだったとは、、俺のハートはキュン死に寸前だぜ…とはいえ姫を起こさないと!!


「姫、、宴の準備ができたみたいです!」

「あっ、、島、、、そうなのね」

 やっと起きた姫は、、自身が言った言葉に頬を赤く染め、、なんだか恥ずかしそうにしてる。モジモジ姫たん!有りよりの有りだな!心の中で一人ガッツポーズをする島であった。


 それから、、少し歩いて宴の場に行くと先ほどのイケオジがいた。


「さぁさぁ島殿、皆がお待ちかねですぞ!」


 うん?イケオジの変な言い回しが気になる、俺なんかしたかな?一抹の不安がよぎったが、、とりあえず言われた通りに姫と一緒に中に入った。 


「では皆の者!本日の主役が参られたぞ!」

 イケオジなんな大袈裟過ぎない?例え淀殿を助けたからと言って、、そこまで持ち上げられると、、なんか気まずさを覚えるよ!イケオジさん!


 中に入ってみると、、50人位のやたら、、いかつい人達がいた。ここは〇〇組ですか?そんなコトを考えてると、、イケオジが追い打ちをかけるように皆が聞こえるように大声をあげた!


「この方は!亡き石田三成が破格の待遇で召し抱えたと言われている猛将!島右近の忘れ形見である!」


 はぁぁぁ、、、いつそんなコトを言った!横にいる姫を見てみると、、話の流れがついていけず、きょとんとしている。 


「何より、、淀殿をお助けしていただいた際の見事な剣技!まさに猛将の血を余すことなく受け継いでおられる」

「皆の者!真田幸村は宣言する!猛将の血脈である島殿を新たに将に迎え、憎き徳川家康の首を取るのも近いぞ!」

「さぁ島殿、、皆の戦意は最高潮です!何か一言お願いいたします!」


 まさかイケオジが真田幸村とは、びっくりしたが、この状況なに?俺にどうしろと言うんだ!これがコトの経緯である。これから、、どうなる??さっきまでの至福の時間である「島たんたん」に癒された時を返せ!自分の場に流されやすい性格にうんざりする島であった、、、


続く





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